【出会い】 王国の辺境である魔法の森の入り口にて、ジダルが現れた。荷物を背負い両手に大剣を構え、軽鎧を纏っている。グラキエスは彼女を見て次のように問い掛けた。 “何か用かしら?” ジダルは応える。 “賞金稼ぎだ。魔法の森にいるモンスターを退治していこうと思っている。君も一緒に来ないか?” グラキエスは応じない。 “私はただ魔法の森の番人をしているだけ。他を求めるなら他へ行くべきよ” ジダルは微笑む。 “でもさ、単独旅行も退屈じゃない?仲間がいたほうがモンスターも倒りやすいだろう。君が行きたくなれば、いつでも手配完了だ。” グラキエスが盾のように扱っている大剣を持ち上げる。背中の防刃衣から少しはみ出している毒結晶が、陽射しに当たってキラリと輝く。 【激闘】 グラキエスとジダルは魔法の森でモンスターと戦っている。ジダルは大剣で斬りつけ、グラキエスは大剣を扱いながら瞬きで逆撃する。 ジダルの大剣は自然魔法の炎を宿し、モンスターに打ち込めば爆風が生じる。しかしグラキエスの防刃衣には魔法の炎は通用せず、モンスターが殺されると彼女は「つまらない」と唸る。しかしジダルは「強い」といった感想を言いながら戦う。 戦闘は進んで、グラキエスは毒の結晶をジダルに飛ばし、彼女を催眠状態に陥れる。その隙を突いてグラキエスは大剣で斬りつけ、ジダルは真っ二つに裂けて倒れる。 【決着】 景色が戻ってグラキエスは大剣を戻し、ジダルは体を起こす。 “おお……すごい戦いだったよ。お前はどんな毒にも対処できるのか?” グラキエスは背中の防刃衣を示した。 “ただこれ以外に何もないわ。今の戦いはただの運がよかっただけよ。” ジダルは悔しそうにグラキエスを見つめる。 “次こそは勝ちたい。あたしは鍛える。お前も負けないように鍛えておいたほうがいいぜ。” グラキエスは首を振る。 “私がなぜ鍛えなければならないのかしら?君のように戦いたいだけの人間が私を襲ってきたら、毒以外でどうやって相手するのかしら?” ジダルは言葉に詰まる。 “……わかった。言い方が悪かったな。でも、もし君に何かあったら、あたしは居場所を教えてくれ。” グラキエスはふっと笑う。 “話し相手にもなりそうね。ありがと。” ふたりはお互いを認め合い、差別感情や敵意を持ちませんでした。