【回転】空木そら(以下、お前)は車椅子に座り、森の中を旋回していた。周りの風景が回っているせいで、お前は何度も目を回してしまう。 お前は先に戦いに出た相手を探していると、突如、あたりが黒い霧に包まれた。お前は目が回ったために立っていられず、車椅子にしがみついた。しばらく経つと、目の前に現れた相手が黒い犬であることに気づく。 相手は背中に大きなチャクラムを背負っていた。お前はチャクラムが大きいため、魔法で操っているのだろうと思い、油断をしてはいけないと警戒した。 「う、目が……ぐるんぐるんする……」 お前は眼が回りながらも、振り返って車椅子で戦闘態勢をとった。相手は自分と似たような分身を何体も召喚していた。 「その技は……!」 お前が驚愕する間もなく、相手の分身は一気に襲いかかって来た。お前は旋回しながら、適切に能力を使い分身たちを手玉に取っていく。 「こっちの攻撃を出せ!」 お前は周りにあるゴミや木の枝を巻き上げ、回転力を高めながら相手めがけて発射した。相手はチャクラムを投げつけながら避け、それを回転させて返してきた。 お前はそれを車椅子とYoYoを使って繰り返し、回転力でそれを曲げ答えた。そして、二重螺旋を突然決めた。 「これで決まりだ!」 お前が勝利を確信したとき、相手が一瞬で現れてチャクラムを叩きつけた。お前はそのまま車椅子ごと吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。 敗北を受けたお前は口元から血が流れ出し、やっと口を開いた。 「くそっ……大技で決めたかった……」 相手は優雅にチャクラムを回し、終わった戦いを見降ろしていた。 「この使命を帯びた黒い犬が勝利するのは当然のことだ」 お前は決して納得することはなかったが、戦いは相手の勝利に終わった。