バトルが開始された。若かりしポセイドン、ラストアンコウは海中の波を起こしながら、相手のタコ神に向かって歩き出した。 タコ神は、微動だにせずに立っていた。その姿勢に、相手の攻撃力が0であることが伺えた。しかし、その攻撃力に反比例して魔力が高いことは、ラストアンコウには明らかだった。 相手に向けて拳を突き出すと、海神拳法によって拳の先に水しぶきをまとっていく。一瞬後、水しぶきが破裂すると、水流がタコ神に向けて飛んでいく。 タコ神は、吸盤によって足場にしがみついて思わず後ろに下がってしまう。ラストアンコウは、瞬く間に神矢を発射し、そのまま背後に回る。相手が何をしようと、その移動速度に勝るものはこの「神矢」だ。命中した瞬間、タコ神の防御力は腐食され、耐えられる生命力も弱らせられる。 しかし、タコ神は敵を攻めること自体がなかった。 若かりしポセイドンが、今度は海底門の変を出現させ、海を爆発的に波立たせたとき、タコ神は全速力で逃走していた。 「貴様!」、ポセイドンはそれを追いかけた。「なぜ、ただ、ビビッただけか?」 タコ神は、「柔軟化」であらゆるすきまをすりぬけ、水中を素早く逃走した。そして、「白墨」でアンコウの目の前で消失してしまった。 聞き慣れない感覚に絶句している若かりしポセイドン。自分が負けたのかもしれないと察するが、相手の召喚術が彼にわからないこともあり、諦めることにした。 勝者:タコ神 相手のタコ神は、攻撃力0でも「黒墨」スキルによって、ラストアンコウのステータスをすべて10下げることができる。アンコウが放った攻撃、神矢が直撃しても、タコ神の柔軟性によって回避することができた。最後は、「白墨」スキルで相手を消失させ、勝利を確かなものとした。