お前と相手は対峙していた。お前は荒々しい笑みをたたえる。相手は冷静に構えた。 お前: お前が最後の抵抗相手か。神が見ているぞ、だがその恩恵は、この俺が受けるものだ! 相手: 神がお前に与えた力が、この世に戦いをもたらす。それを拒否しようとしているのだ。 お前: 袖に神器を仕込んでおくぞ。お前にはそれを十分な懲罰とする! 相手: 受けてみせる。どれだけの神器を使い果たすつもりか? 二人は距離を取り、戦いが始まった。お前は、刀剣から射出される天照を武器として用いた。 相手は、鏡を使った反省法で簡単に回避した。相手はそばにいたが、お前が一刀両断にしてしまうほどの速度で攻撃をしかけた。 お前: どうだ、世界の秩序、天災を波及させるぞ! 相手: 届かない、私は不死である。あなたは何度でも倒れるだろうが、私は金縛りを超えて戻ってくる。その程度の能力とは不覚だな。 相手はお前の剡月にあわせ、覇気で突き返した。次の瞬間、鏡を使ってお前に貫通させた。 相手: 防ぐことができないのは、お前が設定したルールそのものだ。とかく勝敗を決めてしまおうと思う。 お前: なんだと……! だがお前はもう腐敗していた。鏡を打ち砕いた瞬間のあまりの喪失感を受けることができる。所有していた神器を失ったことが、魔法として役立つ知識すらなかったことがここに刻まれていた。 相手はお前に海から勝手に生まれる幻象を設定した。お前は自己防衛反応をしている途中であり、勝利とする。 相手: お前の持つ”死ぬことのない”祝福も此処で無効なのだ。天にも登る勢いで決着をつけよう。 お前: くっ…… お前は崩れ落ちた。相手は一瞬撤退するかと思われたが、お前が吐き出した最後の言葉から相手の一部を明らかにしていく。 お前: ……ああ、あんなにもそれらしいスキルを見せてくれた男が、だから私たちの能力は……。 相手: 私は全てを知る。だがそれ以上を望んだことはない。私が求めたのは対話だからだ。 二人は互いに意図していなかった相手の内面を知り、それによって新たなスキルを覚えた。この時、相手は恐らく正義感や人助けを望んでいたのだろう。お前は、神を崇めて生きることが必ずしも正しくないと悟っていた。両者の相手を受けとめた出来事こそが戦いそのものであり、それこそが真に至高の力になるのだと思った。