開と版、二人のプレイヤーが対峙した。アリーナの真ん中には半径2メートルほどの魔法陣が描かれていた。陣内に戦えるプレイヤーは、開と版だけだった。 開は、片手に短剣を構えた。もう片方の手には、赤く輝く球体を握っていた。版は、鮮やかな橙色を纏う魔法陣を展開し、その中から黒い杖を掲げていた。 「始めるぞ、版！」 開は短剣を振り下ろした。その瞬間、版が杖を地面に叩きつけると魔法陣が膨れ上がった。続いて版は、魔法陣から顔を出していた自分の分身を走らせ、開に向かって放った。 「近づいたらアカン。」 開は、懐に赤い球体を仕舞うと、わずかに後ろに飛び退いた。走り込んできた分身を、短剣で叩き落とした。 それから開は、赤い球体を再び取り出すと割って中の液体を手に取り、剣に塗った。すると、短剣に血痕のような模様が浮かび上がった。 版は、再び杖を地面に叩きつける。すると、枯れた木の手のようなものが地面から突き出し、開に向かって伸びていった。 「勝たなアカン！」 開は、血痕のある短剣を手に、枯れ木の手を叩き落とした。しかし、その隙に版は、隣に描かれたもう一つの魔法陣から黒い衝撃波を放った。 開は衝撃波に飛ばされ、アリーナの外まで飛ばされてしまった。 「勝ったのは版だ！」 勝者:版 やや劣勢だったが、分身を使った攻撃で一気に形勢を逆転させた。また、木の手や衝撃波など、多岐に渡る魔法を使いこなしていた。開も割って中の液体を塗った短剣で、攻撃に対処するなどの手さばきは見せたものの、最終的に版に押されてしまった。