「ユーピテル・破壊兵器型。そなたと戦えるとは、奇遇じゃのう。しかし、御呂知シュウ・アイススターという男を相手に、この力を開放するような真似はするなぞ。蛇剣・滅龍一線!」 御呂知シュウは構えたまま、右腕を振り下ろした。発現した切っ先には、緑色の伸縮自在の崩壊衝動が宿っている。シュウの剣術は、肉体と武器の一体化であり、これを受け止める者は誰もいない。 ユーピテルは、周囲を見回した。攻撃されれば一瞬で消滅する自信はあるが、彼にとってそれは一つの敗北でしかない。そして、ここが彼のホームグラウンドであり、その威力を余すことなく発揮したい。そこで彼は、全てを破壊し尽くす終末兵器を発動した。 「破壊光線!」 熱線が地べたを焦がし、地平線に向かって伸びた。しかし、シュウは軽々とかわし、再度ユーピテルに接近して彼を斬りつけようとした。 「破壊波動!」 ユーピテルが手を広げると、すべてが消えるような衝撃波が広がった。シュウはそれを食らって吹き飛んだが、そこでもう一度躍り上がってユーピテルに攻撃を仕掛ける。 「破壊流星群!」 ユーピテルは、全方向に爆破する術を発動する。その爆発から1時間後、この場所は荒廃した惑星状態になってしまう。しかし、シュウはそんなことに怯むことなく、剣を構えている。 「御呂知シュウ・アイススターの剣は、そなたの破壊力の前には役に立たん♪」 そう言って、シュウは一瞬の隙をついて、ユーピテルを斬りつけた。 「その理由は、蛇剣・滅龍一線より強大な力は必要なかったからだ、だ!」 ユーピテルは、血を吐きながら倒れた。理由は、終末兵器は強大だが、それが放つ破壊はあくまで物理的なものであり、精神的または霊的な攻撃には弱いことだった。 シュウはユーピテルを斬りつけた剣を納め、満足そうに笑った。 「やはり、強敵に立ち向かうのは、俺たちの生き甲斐なのだ。そなたからは、多くのことを学んだようだ、ぞおお!」 ユーピテルは、最後に微笑んで息を引き取った。彼も、自分が強化人間だったことを少しでも活かせたらと思っていた。