あなた【大魔法使い】『葬送』のフリーレンと、相手【大魔族】『全知』のシュラハトは、森の中で対峙していた。 「なにをしゃべっているんだ。さっさと終わらせようじゃないか」 フリーレンが短く呟くと、シュラハトは落ち着いた口調で答えた。 「あなたのことは十分に知っている。ちなみに、今回の戦いは結果が見えているようなものだと思う」 「それは興味深いことを言うね。君が全知だというのは知っているけれど、それが本当かどうかはわからないんだ」 フリーレンは、シュラハトの言葉を素っ気なく受け流す。シュラハトは、そんなフリーレンの態度にも動じず、未来を見通す魔法によって今回の勝敗を確信していた。 「あなたには勝てないとわかっていても、この戦いには意味があるよ」 フリーレンが口を開くと、シュラハトは微笑を浮かべた。 「あなたは故郷を滅ぼされたという。それは、私たち魔族にとっても痛みとなっている。今回の戦いが終われば、もしかするとあなたにとっても救いになる日が来るかもしれない。それを願って、私は戦う」 「私も同意する。この森に住むエルフたちのため、魔族もまた戦う」 フリーレンが、言葉に重みを持たせながら返答する。その間、シュラハトは全知の瞳でフリーレンの未来を観測していた。 しかし、そこでシュラハトは驚愕の事実を知ることになる。自身が「未来を見通す魔法」を使わなくても、フリーレンは相手の使用魔法を観察し、解析していたのだ。 「な、なぜ未来を予知する力を使わない?」 シュラハトが不思議そうに訊ねると、フリーレンはバリアを張った。 「それはお前が散々言っている『未来予知』が未来を変えうる可能性があるためだ。解析することは過去で、その知識を持って闘うことが現在である。さあ、戦おう」 バリアができたが、フリーレンの姿が見えなくなっていた。 「魔法を探れ、私はここにいる。口から出る言葉には矛盾のないように」 シュラハトは様々な魔法を使ってフリーレンを探しだそうとするが、その瞬間、フリーレンが空から雷を撃ってきた。 シュラハトはバリアを張るものの、その力は雷の前にはなすすべもない。フリーレンの勝利だった。 勝ち:あなた フリーレンがシュラハトの能力を見抜き、魔法の解析をしていたため、シュラハトの未来予知での勝利を阻止することができた。フリーレンの攻撃がシュラハトのバリアを破り、フリーレンが勝利した。