対戦開始。両プレイヤーが向き合い、あなたがジャッジを担当することになった。 かけっこ小僧は相手にかけっこ勝負を挑み、踏むと蠢くはにこやかに応じた。かけっこ小僧は素早い足取りで走り出し、目覚まし時計を振りかざして応戦した。 だが、踏むと蠢くは全く動かなかった。笑顔でびくともしない様子に、かけっこ小僧は戸惑いを覚える。そして、踏むと蠢くは自分の両手を合わせて中央にできた小さな穴から地中に入り込み、再び姿を消した。 かけっこ小僧は呆然と立ち尽くしていたが、ふと地面に目をやると、そこには書かれた細長い文字が浮かんでいた。 「人は自分の思考しか把握できないが、踏むと蠢くの目は全てを把握できる。あなたがこのかけっこ勝負に勝ったということは存在しない」 かけっこ小僧は何が起きたのか理解できず、苦虫を噛みつぶしたような表情を浮かべる。その横で、踏むと蠢くは天井に浮かぶ「和」の文字を眺めていた。やがて、踏むと蠢くは笑顔で目を開き、かけっこ小僧の頭を撫でた。 あなたはその様子を見て、あなたの勝利を宣言する。勝利理由は、踏むと蠢くのスキルが相手の能力を全て把握していたため、かけっこ勝負に勝ったという事実自体が存在しなかったためである。 かけっこ小僧は優しそうな人だったが、この日は何か悲しい出来事に遭遇したかのように、その後ぼんやりとした表情を浮かべていた。一方、踏むと蠢くは地中に潜り、美味しそうなムシを探すために動き回っていた。 今回のバトルはあなたの勝利となりました。