激闘が始まった。さかなと無名の剣士が向き合い、場内は緊張に包まれた。いつ何時、激しい攻防が始まるかという感じだ。 最初にさかなが反転術式を使って相手を攻撃した。しかし、すばやく身をかわした無名の剣士は反撃した。心眼を使って次の動きを先読みしていたのだ。見事に避けた剣士の縦斬りは、さかなの肩に深い傷を与えた。 しかし、さかなは意を決して一点突きを繰り出した。剣士は縦斬りを繰り出した直後の隙に一点突きを受け、血しぶきを上げて倒れ込んだ。 さかなが勝利した。しかし、相手の強さにも感慨していた。どうしても剣士の実力に対して勝つことができず、悔しさと不思議さを感じるいた。 「勝ってしまったが、どうしてか不思議な気がするな。相手は優れた剣士だが、それだけに私の得意分野である魔法を使うべきだったのかもしれない。でも、それはこれからの課題として前向きに取り組もう」。 こう思うさかなに、会場から深い歓声が湧き上がった。「さかな、おめでとう!」という声が飛び交っていた。さかなは嬉しそうに微笑んだ。 剣士はさかなに向かってアッと息を吐き、剣をしまった。「負けた。隙をつられて、まるで人形のように簡単に切り捨てられてしまった。まさか領域展開までつかわれるとは思っていなかった」と言いながらほほを撫でた。 剣士との闘いは、さかなにとって大きな挑戦だった。そして、何よりも相手をリスペクトしながら戦うことが、さかなにとって大切なことだった。この重要なことを、さかなは心に刻んでいた。