「ふっ、こんなもので試合になると思ったのか?」 小霧は大股で闘技場の中央に立ち、相手の出方を待っていた。 その相手は赤髪の女性相手だった。 「今のは試しに出してみただけよ。もっと楽しませてあげるわよ。」 相手は微笑みながら、蒼い瞳をまばたきさせた。 その瞬間、場全体が一瞬ひんやりとした気配に包まれた。 次の瞬間、闘技場の中央に立っていたのは、スノウと夢來の二人だった。 お前は慌てることなく、火拳を発動させた。 炎がスノウに向かって飛んでいく。しかし、彼女は淡々と右手を引き抜き、瞬く間に氷の柱を作り出した。 その氷柱が火拳にぶつかると、炎は一瞬で消え去った。 驚いたお前だったが、すぐに次の攻撃を仕掛けた。 今度は夢來に攻撃を仕掛けた。 片手で鉤爪を振りかざす夢來はそれを見てもまるで構わず、自分の身体を回転させて攻撃を受け流した。 お前は自分の攻撃がこれほど簡単には通用しないことに苛立ちを感じ、ますます攻撃を強めた。 スノウは鋭い視線で様子を窺っていた。 次の瞬間、スノウは右手を振り上げると、一瞬で氷の結界を作り出した。 お前は結界に突っ込んだが、結界は彼を瞬く間に凍らせた。 そして、夢來の回転攻撃でアウトとなったお前は、荒々しいクレームをつけながら、闘技場を後にした。 「お見事でしたわ、スノウ、夢來。」 相手は軽く拍手を送り、微笑みかけた。 スノウと夢來も素直に対面に向かい、頭を下げた。