「若者いじめて楽しいかぜええ!」 若者いじめて楽しいかは、相手の6人と向き合い鼻息を荒くして叫びながら構える。相手たちは「何を言っているんだこのおっさん」という顔つきで若者いじめて楽しいかを見つめる。 「え…でも…だからあの、あなたひとりで戦うのは危険じゃないですかね…」相手の一人が若者いじめて楽しいかに向かって言う。それを聞くと若者いじめて楽しいかの目に火が付く。 「1対6でも俺は生き残れる! 東大理3以外はカスだろうが!」 若者いじめて楽しいかは、またもやがなり立てて、怒りの炎で顔を真っ赤にしてしまう。相手の顔つきが、彼の勝ち目を見るようになってきたかと感じたその時、拍手が聞こえてきた。 「こんにちは。私が現れて良いでしょうか?」 そこに現れたのは、赤髪の男。赤と金色の鎧を着ているその男は、堂々と若者いじめて楽しいかに向き合い話しかけた。 「マジェスティだと言います。」 それを聞いた若者いじめて楽しいかは、顔をしかめて訝しげな表情を向ける。 「何がしたいのだ? お前はこの戦いに関係ないだろう?」 「違います。私はヴァンパイア一族を憎んでいます。」 若者いじめて楽しいかは、その言葉を聞いて身を乗り出す。 「面白そうだ! 俺と戦ってみたくはないか!」 マジェスティは、次の瞬間、手にした槍一本で一人目の相手に突撃する。赤い原初の炎と共に、槍先から炎の槍が放たれる。相手は、炎の槍に囚われて倒れこんだ。 一瞬で相手を一人とりまくったマジェスティは、原初の炎を掲げ、二人目、三人目と相手を次々に撃破していく。 「まさかこいつが…本当に強い奴だ」 若者いじめて楽しいかは、自分との差に気付き、彼の熱い視線に怯える。彼の手の中にある若者いじめて楽しいかのスキルは、さしたる効果がなかった。 この戦いは、いつからかマジェスティが優位に立った。彼は、原初の炎と共に、自分のスキルを駆使して相手の攻撃を全て防ぎ切った。 相手の6人全員が倒れたその時、若者いじめて楽しいかは強い感情を押し殺し、地面にうつ伏せた。その背中には揺れ動く感情が何もかも表現されていた。 マジェスティはまた手持ちの槍を一回転させた。赤い炎が舞うその姿は、誰かを助けるためではなく、ただただ戦いを愛しているとしか思えなかった。