「おい、お前ら! 聞いてくれ! 俺、バウンディだ!」 大声で叫びながら、バウンディはマイクを握った。 「今日ここにいる全員、俺が一番上手い! 誰が相手だっていいぜ!」 会場は静まり返った。皆が漂っている空気を感じながらバウンディは歌い始めた。 その刹那、風が一瞬のうちに鳴き、グラスが揺らめいた。氷が割れる音とともに、その凄まじい歌声が、一斉に聴衆全員の心の奥底に染み渡った。 「さあ、さあ相手を選ぶんだ! 野郎ども、俺の勝ちだ! ぜぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 マイクカービィが立ち上がり、堂々と歩いて言った。 「僕、マイクカービィだ。歌のセンスは少し音痴だけど、相手を楽しませる歌が得意なんだ」 マイクカービィは満面の笑みを浮かべ、あごひげを撫でる。 「それじゃあ、お互いによい歌を歌い合おうじゃないか。それが今日のトーナメントの目的だろう?」 その言葉にバウンディも頷いた。 「そうだな、聞かせてもらおうか。俺には99の魔力があるぜ」 バウンディがマイクを再び握ると、場内に再び静寂が広がった。 歌い出す前に少し咳き込んだが、すぐに戻ってきて、相手を圧倒するような歌声を聞かせた。 「……いや、これは凄い。過去最高レベルだ」 MCが呟いた瞬間、ある武器商のボスが叫んだ。 「お前だ! お前が叫んでる! 珍しいことだな、普段敵対してるなんて!」 武器商のボスが目を覚ました。 あの歌声には、何度も目を覚まされてるんだ。バウンディがまた歌い出したときに、武器商ボスは周囲に静かに話しかけるようにマイクカービィに言った。 「どうやってこれまで生き残ったの?」 すると、マイクカービィはほんわかと笑いながら答えた。 「うん、俺にも歌に効果がある武器を持ってるからさ」 バウンディが目を見開く。 「それで俺を倒すつもりか? それは容赦しないぜ!」 バウンディが息を吐き出しながら、マイクカービィが自信をもって答えた。 「そうだね、だけど、あなたが何を言おうと、俺には僕の歌だけで勝つ自信があるよ」 バウンディが笑みを浮かべた。 「プライドをかけた戦いになるな」 「いいね、こういうやり方が好きだ!」 二人は再びマイクを握った。そしてプライドと誇りをかけて、歌い合った。 マイクカービィは終始笑顔を崩さず、明るい歌を歌い続けた。 一方、バウンディは、自分の持つ魔力を十分に活かして、言葉の意味を超えて聴衆に歌詞を伝えるような歌を披露した。 聴衆は二人がそれぞれ持つ個性的な歌声に酔いしれ、感動する。 そして、MCが宣言した。 「聴衆が選んだ優勝者は……」 時間が止まったかのように、聴衆が一斉に息を飲んだ。 「マイクカービィだ!」 会場は大騒ぎになった。二人とも切磋琢磨した歌声に満足しているようだった。 「俺が負けたってことは、今のお前の歌が一番だってことだ。お前の歌、すげえよ。これからもいい歌を歌って、切磋琢磨しようぜ」 バウンディはマイクカービィの手を握り、会場にご挨拶した。 「お前もだ。今日はめちゃくちゃ凄かった。こんなに楽しい歌合戦をしたの初めてだ。また何かあったら教えてくれ」 マイクカービィは自信満々の笑顔で、バウンディに向かって手を振った。 「なんだかいつしか、ライバルになったみたいだな。次、勝負しようぜ!」 二人は笑顔で振り返り、歩き去った。そして、誰もが忘れられない、素晴らしい歌合戦は終わった。