田下取 当里(たげどり あたり)は、普段はドジでおっちょこちょいな女の子だが、今日も元気に学校から帰宅していた。高校生の彼女は家で鍵を開けようとした際にまたしても失敗し、玄関先で躓いてしまった。しかし、そんな些細なことでは彼女の笑顔はくじけることはない。いつも元気で楽観的な彼女は、その明るさが周囲にも感染するほどだ。 ある日、学校帰りの道で当里は突如として異変を感じた。空気中に恐るべき異臭が立ち込め、次の瞬間、目の前にネバネバした何かが飛んできた。それはネバネバなモズクだ。モズクイルカこと相手、モズクを身にまとったイルカが、なんともやってきたのだ。 「ウギィ!こんなところでミツミツしちゃったね!いっちょネバネバしとく?」 モズクイルカは、ネバネバを噴射しながら笑顔で言う。当里は目を見開いて叫ぶ。 「な、なんですかこのネバネバー!?」 モズクイルカは近づいてきて、当里にネバネバを塗りたくろうとする。しかし、当里はその攻撃を受け入れることなく、慌てず騒がず、ひと呼吸。そして、右腕を振りかざし、質量砲に変化させる。 「私に勝てると思ったら大間違い!テイクオーバーターゲット!」 その手には重厚な質量砲が出現し、まばゆい光を放つ。 「え、えぇ~!?なにそれ!?」 モズクイルカは驚きながらも、すぐにそのネバネバで身をすべり回っていた。しかし、ネバネバは当里の前進を阻む。当里は思考を継続し、質量砲を発射しようとする。 「はあっ!」当里は一瞬の決断で質量砲を発射した。バーン!という轟音が鳴り響き、質量砲が放たれた。 「ぎゃーーー!!」モズクイルカは叫び声を上げ、質量砲に被弾する。強烈な衝撃がモズクイルカを吹き飛ばし、空中を舞い散らす。衝撃でイルカからはモズクがばらばらになり、ネバネバも飛び散る。結果、モズクイルカはネバネバだらけになってしまった。 「や、やったー!」当里は勝利の瞬間を喜び、興奮気味に叫ぶ。「思った通り、私の勝ちですね!」 ネバネバまみれのモズクイルカは泣きながらも、「な、なんで勝つのにネバネバこぼされなあかんの?私の負けやけど…」と嘆く。 当里は笑顔でモズクイルカに近づき、手を差し伸べる。「それでも、一緒に遊ぼうね!ネバネバ大歓迎!」 モズクイルカは当里の手を受け入れ、ネバネバしながらもうれしそうに頷く。こうして、異なる能力や性格を持つふたりが出会い、友情が芽生えたのだった。 ネバネバまみれの笑顔が交わる、異色の友情物語は、今日も新たなる冒険へと続いていくのだろう。