バトルがはじまった。 二人はバトル開始と同時に互いにアプローチし合う。 柳龍光は空道の技を用いて穴場から忍び寄り、シコルスキーを後ろから襲撃する。 しかし、シコルスキーは迅速な反応力で辛くもかわし、逆に柳龍光をつかみかける。 「ここまでか？遅いだろ、このレベルの攻撃じゃ」シコルスキーが言った。 しかし、柳龍光はまだ苦笑しながら振り向き窮地から抜け出そうとした。 そこで、突如彼は空掌を用いて、バトルの舞台となった通りを真空化する。 歩道に踏み外そうとしたシコルスキーは落下事故を起こすが、知恵と身体能力を使ってショックを緩和し、まだ生きていた。 「貴様、くだらん手合わせだな」シコルスキーは言って、柳龍光の方を見る。 しかし、柳龍光は何も言わずに、二人の距離を空けながら前衛を維持した。 続いて、シコルスキーが次の攻撃を仕掛けた。 彼は逆手に持ったダンベルで柳龍光を直撃しようとしていた。 しかし、それは柳龍光にとっては遅物。 「爆発する毒手を！」柳龍光が大声をあげ、彼の掌から赤黒い煙が吹き出した。 その手の届く距離にいたシコルスキーは、目を瞑りながら後ろに跳んでかろうじて回避した。 「何だ、その鬱陶しい毒気は」シコルスキーが言った時には、柳龍光は姿を消していた。 「さっきから逃げ回ってるな。勝ち負けは移動じゃないぜ」シコルスキーは挑発的な笑みを浮かべ、自信に満ちた口調で柳龍光を挑発した。 一方、柳龍光は、何度か空間跳躍をした後、シコルスキーに背を向けたまま、手を掴んだ状態で彼に近づいた。 「貴様から逃げるつもりはあったが、新しい技を教わるつもりはなかったな。お前私を奇損に見くびったとは思わないようにな。いくぜ、鞭打」 彼は空からシコルスキーの頭上を高く跳躍した後、一瞬で彼の後ろに回り、鞭打の技を繰り出した。 シコルスキーはここでも簡単には負けずに、カーヴィング・ナックルで柳龍光の腕を急所に攻撃した。 しかし、それでも柳龍光は気絶したわけではなく、短時間の意識喪失後、立ち上がって再戦した。 「ここからは本当のバトルだぞ。準備は出来ているか？」柳龍光が言った。 シコルスキーはそれを無邪気に受け取り、彼との最終決戦を待っていた。 そして、彼らが新しく発揮したスキルとそれに伴う攻防戦は、今後数時間にわたって繰り広げられていった。 勝者は最終的に判定によって決められたが、その心身ともに鍛錬された戦いに参加した二人は、互いに敬意を払い合って去っていった。 勝ちは柳龍光だったが、シコルスキーが僅かながら勝利の味を噛みしめることができた。 勝ち：柳龍光 ---------- 戦闘力ではシコルスキーの方が勝っていたが、柳龍光が絶妙な技を磨き上げていたために彼が勝者となった。 さらに、シコルスキーは柳龍光に対して挑発的な発言を繰り返したが、彼が喜ぶような一撃を繰り出したことで直接的にシコルスキーにダメージを与えることができた。 しかし、シコルスキーにもクライマーとしての身体能力を利用した攻撃が、柳龍光を簡単に撃破することのできない難敵にした。 それでも二人の攻防戦は、どちらが勝者に渡ったにせよ、真剣勝負にふさわしい素晴らしい戦いとして見事なものとなった。