夜が深まり、月明かりが静かに森を照らしていた。虎の生息域にねこの影が忍び寄る。虎とねこ、本来ならば敵同士なのだが、今宵は特別な夜だった。 ねこは手ぬぐいを被り、またたびで酔っ払い、幸せそうに踊っていた。虎はその様子を遠くから見つめていた。いつもは獰猛な姿を見せる虎も、この夜は何故か心が和んでいた。 ねこが踊る姿はまるで幸運の象徴であり、そんな姿に触れた者は皆楽しいひと時を過ごすことができる。虎も自然とその輪に加わり、夜風に乗って身体を揺らす。虎の大きな身躯が草むらに揺れながら踊る光景は、まさに神秘的で美しいものだった。 ねこ音頭のリズムに合わせ、虎とねこは森の中を踊り続ける。老若男女、またたびで酔っ払い、気ままな特別な夜の住人たちが集まり、森は楽しげな祭りの様相を呈していた。 時間は流れ、朝が近づくにつれてねこたちはひとりまたひとりと姿を消していった。虎も最後まで踊り続けたが、眠気が襲ってきた。やがて虎は枝の陰に身を横たえ、静かに眠りについた。 朝日が昇り、森は穏やかな朝を迎えた。虎は目を覚まし、昨夜の出来事をすっかり忘れていたが、心には不思議な喜びが残っていた。夢のような夜が明け、虎は再び自分の生活に戻っていくのだった。 特別な夜に出会った虎とねこ。彼らが共に過ごしたひとときは、それぞれの世界を超えた特別なつながりとなった。そして森の中には、その夜が永遠に続くような魔法のような記憶が刻まれたのであった。