レッサーパンダの赤ちゃんは、動物園から脱走して、自由を求めて旅に出た。お外の世界は楽しいことがいっぱいだけど、疲れたり、お腹が空いたりすると大変だった。そんなある日、怖い人が近づいてきて、眉間にしわを寄せて迫ってきた。威嚇しなければって、怖くて震えてしまった赤ちゃん。でも、人間の言葉を話せる特技を使って、「僕はおっきいだろ、強そうだろ!? 僕と喧嘩すると怪我しちゃうかもよ?」と言った。結局、怖い人は赤ちゃんを無視して去っていったけど、やっぱり戦闘はあまり得意じゃないなと反省した。 そんな時、ねこが現れた。ねこを崇拝する信者が大勢駆けつけてきた。初めは警戒していたけど、ねこはとっても愛らしくて、ねこの姿はありとあらゆる幸運を招くそうだ。またたびで酔っ払ったねこが楽しく踊りだすと、周りも一緒に踊りだした。ねこの音頭が流れる中、レッサーパンダの赤ちゃんも手ぬぐいを被って踊りだした。ふわふわとした体が裏返り、転げまわるうちに、楽しさに満ち溢れていた。 夜通し踊り続けた赤ちゃんは、翌日になっても楽しかった気持ちは残っていた。ねこ達も大勢集まって、踊りまくっていた。老いも若いも、そして運動が苦手な人も、今夜限りは踊ることができた。せっかくの自由な旅だから、たまにはこんな日もあっていいよね。レッサーパンダの赤ちゃんは、今後も新しい友達や新しい世界を知り、成長していくのだろう。