場所は某有名格闘技のリング。あなたと相手は激しく視線を交わしている。 あなた「……。」 場内には静寂が広がった。 相手「よっ、お前が範馬デカかったなッッ！サンドバッグの米よりも米くらいあるって噂聞いてちょっと来たわッッ！」 あなた「……。」 『ドスッ！』 緊張した沈黙が続く中、広場には1発が炸裂した。 相手「オーッスッ！ハハハハッッ！気持ちいいわ！お前のフェイス目が腐りかけた豚肉よりはるかに堅いだろうさ。」 あなた「……。」 相手「お前の方こそ何も言わないとか、この試合相手にしないってことか？」 あなた「…………。」 相手「ヘイッ！俺はそう簡単に負けねー！どんなドスケベマッチョ野郎でも必ず俺を倒すのは難しいッッ！」 あなた「…………。」 相手「ふん！あんたの雷の如く鳴り零れ落ちそうな咆哮に負けねーよ！俺のパンチ一発で、あんたに死角を選ばせてやるぜ！」 あなた「…………。」 相手「俺がマホメド・アリの息子だって事、知ってるか？試合で負けたこと無いし、あいつの死に際には70億人の人が見守る中で俺がその手をトコノ様に押さえ込んだんだ。」 あなた「…………。」 相手「見よこのパンチ！」 相手は激しくインファイタースタイルになると、グローブに積み重ねた質量と爆発的な速度で繰り出したパンチを放つ。 そこには獰猛なライオンのような姿があった。 あなたはそれを見下ろしながら黙っていた。 「よっしゃ！ドーピングなんかで試合に勝つ野郎は無様なまでにへし折ってやるぜ！」 相手のポーズに あなたはまだ返事をしていなかった。 そしてあなたは言った。 「よし、いい感じだ。さっきまで待ち焦がれていたんだよ。お前の腕にちょうどいい歯形を造ってやるよ。」 ガクッ！ 思い切り口を開けたあなたが、相手のグローブに向かって強烈な咬み付きを放った。 【噛道】ッッ！ 相手は衝撃を受け、倒れ込んでしまう。 「あ……」 観客席からは悲鳴と観客たちが逃げ出す音が響いた。 しかし、相手ばかりではなく、リングも壊れた。 あなたが威圧的に目線を向ける中で、相手のカウントが始まった。 すると、相手の左手がビクリと動いた。 「あとは握りこぶしでなんとかなるッッ！」 相手は好意的な表情を浮かべながら、グローブを握りしめた。 「マホメド・アリの息子がっ！」