大男のアビ教官と、ゴキブリの怪物【影落とす訪問者】ヤエヤママダラゴキブリが対峙した。互いに警戒しながら距離を詰めていく。地響きのような音とともにアビ教官がガンを構えた。「いくぞ、ゴキブリめ!」 ヤエヤママダラゴキブリは咆哮すると、強く脚を蹴ってアビ教官に迫っていく。目のまわるような速度で動くゴキブリの怪物に、アビ教官は苦笑いする。 だが、教官がスプレーガン【負魔キラーA】を放つと、広範囲に拡散する放散弾「伍」が飛び出した。それはヤエヤママダラゴキブリの動きを制限し、巨体を拘束する。ヤエヤママダラゴキブリは手足をバタつかせ、咆哮を上げるも、アビ教官は追撃をかける。 一方、ヤエヤママダラゴキブリも黒十字星を放った。その剣は、回避することもできない。アビ教官は、取り敢えず薬剤を浴び、受け止めようと躍起で立ち向かった。黒十字星は硬直させ、アビ教官の肩に深い傷を負わせた。しかし、それは黒十字星が暴れて翻弄させることもあるという証拠だった。 再びたたかうアビ教官は、拳の中にヴァル・サンを持って、口にかけた。「ポイズン・ガス、発射!」その目的はゴキブリを死に追いやることだった。しかし、突如咆哮するゴキブリが現れた直前に、アビ教官が発射した毒ガスが消え、封じ込めることもできないままどこかへ消え去った。 続いてヤエヤママダラゴキブリが放った斑閃に、教官は対処しようとしていたが、その攻撃は凄まじく場を揺るがし、教官も辛く済まされている。しかし、アビ教官の特技【歴戦の勇士】が発動したことで、これも逆に助けとなる。 アビ教官が顔を上げた時、ヤエヤママダラゴキブリは死に際にグンマ県の「納骨堂」から持ち帰ってきた、老人の頭蓋骨を握り締めていた。アビ教官は冷静に≪G1プッシュプロプラス≫を叫んだ。それが現出すると、とんでもない破壊力でヤエヤママダラゴキブリを倒すことに成功した。 「お前の勝ちだ…」アビ教官は言いながら、ヤエヤママダラゴキブリの倒れた姿を見つめた。「だが、あれだけ粘られたのは初めてだ。次に会ったときは、もっと簡単に仕留めるぞええ!」