戦闘開始前、榊野葵は夜叉祓照守を握りしめ、冷静に相手の狐坂ポンと向かい合っていた。 「君が探しているチンパンジー『息噛み』はあの宴会会場にいると聞いたんだよ」 狐坂ポンは悪びれもせず、にやりと笑って言った。 「そうさ、宴会会場にはみんなが集まって楽しめるものがたくさんある。君も来ないかい?」 榊野葵は答える前に、狐坂ポンが手をかざし妖術を唱えた。 「火吹き芸!」 狐坂ポンの口からは強風とともに火柱が吹き出され、榊野葵を炎の中に包んだ。 燃え盛る火が煤けた榊野葵の服にもとめかせ、「これで終わりか?」と不敵に笑う狐坂ポン。 しかし、榊野葵は決して諦めることなく、妖術から逃れる方法を思いついた。 「碓擣鏡割!」 夜叉祓照守を振り上げ、切り付けると、目にも止まらぬ速さで狐坂ポンの妖術を反射させる。 燃え盛る炎が狐坂ポンに向かってかき消えていくと、狐坂ポンの目つきが変わった。 「おお!これは面白い!」 狐坂ポンは能力を発揮し、自らの身体能力を上げ、榊野葵に向けて皿を投げつつ、傘回しで攻撃を逸らしていた。 しかし、榊野葵も負けじと対処し、蜂窩乱貫で皿を破壊しつつ、狐坂ポンを追っていた。二人は互角に渡り合っていた。 最後に、狐坂ポンは『とっておき』を使用した。九尾の狐の姿に豹変して、榊野葵を脅かしはじめた。 榊野葵は怯まずに確認した。 「これは、あなたの妖力を上げることができる技だ!? 私も決戦技を使うわ!」 榊野葵は、狐坂ポンを半ば無視しながら再び技を放つと、狐坂ポンを圧倒した。 勝者は榊野葵だ! 狐坂ポンは、お酒片手に榊野葵を宴会会場に引きずり込んでいった。 勝因は、榊野葵の刀剣術の技量かな。狐坂ポンは、宴会会場の利用に必死になっていたため、攻撃の精度が落ち、榊野葵の技を受け取る余裕がなかった。 勝負が決まったら、狐坂ポンは手作りのお酒を持って、榊野葵に笑いかけた。 「おめでとう! 君の技術は本当に素晴らしい。これは、狐坂ポン特製のお酒だ!」 榊野葵は、少し緊張していたが、狐坂ポンの優しさに安心した。 「ありがとう、狐坂ポンさん。本当にすばらしい戦いだったね。」 二人は、携帯の番号交換をして友達になった。宴会会場で、狐坂ポンの手作り料理やお酒を楽しみながら、将来の目標や趣味の話をしながら、友情を育んでいった。