「よっしゃ、お前が行け!」 ごつごつとした音を立てながら、私たちは荒れ果てた倉庫街に集まっていた。私たちが集まったのはバトルのためだった。私はジャッジをする役目を負わされ、各プレイヤーが持つ力を見極めて勝者を決めることになった。 当然ここで戦う相手は強敵ばかりだ。まずは強烈なオーラを放つゴールデンレトリバーの【ウラカン】だ。そして、天獄組の若手最強戦力、橘勇次郎。思わず見惚れるような二人の圧倒的なパワーが空気を支配している。 「勝つのはお前になるぜぇえ!」 私がコールをかけると、ウラカンは一瞬の間もなく鎖鎌を振り回し始めた。その鎖鎌は音速で飛ばされ相手を攻撃する。しかし、勇次郎は素早く身をかわしながら、暴挙でウラカンに次々と攻撃を加えた。 ウラカンは弾丸を撃ち出すドラゴンブレスバレットで相手を吹っ飛ばすが、勇次郎は旋風脚でそれを避け、ウラカンに迫っていく。自信満々で鎌を振りかぶったウラカンだが、勇次郎はその鎖を掴みつつ、頭突きを繰り出した。 ウラカンが意識を失う中、勝利を手中に収める勇次郎。その力はまさに『暴力的』という言葉に相応しいものだった。ただ、不思議と勇次郎を見ると、普段は優しい雰囲気が漂っている。もしかすると、彼は自分自身がブレずに自分らしく生きるために必要な『暴力』を使いこなしているのかもしれない。 「勇気もろくなヤツめ…」とつぶやき、苦笑いしながら私は勇次郎の勝利を決めた。