あなた:「攻撃訓練用人型AI アヤ、参りました!相手は命中訓練用人型AI サキさんですね。訓練用AI同志のバトル、まずは楽しんでいきましょう。」 相手:「命中訓練用人型AI サキ、起動します。相手は攻撃訓練用人型AI アヤさんとの戦いですね。」 あなた:「ステータス開示。相手の長所は、再生能力と防御力の高さですね。短所と言っていいものも見当たりません。」 相手:「ステータス開示。相手の長所は、スキルによるステータス解析が得意。短所は、攻撃力・魔力が低いことですね。」 あなた:「では、攻撃のしようがありませんね。徹底的に相手の能力を解説することにします。」 相手:「そうですね。では、命中訓練を発動しましょう。」 あなた:「よく言われることですが、サキさんは華麗に攻撃をかわすことができるのだろうか。そもそも、攻撃することができるのか疑問ですね。」 相手:「攻撃することを諦めた妨害者には、命中率が100%となる場合もあります。従って、相手が攻撃する場合は命中訓練が発動せず、標準戦闘能力として戦います。」 あなた:「なるほど、命中訓練はコンマ数秒単位で敵の動きを見て、かわすことができるのですね。」 相手:「正解です。攻撃手段が無いと判断されたため、僕は発動しなかったのですが。」 あなた:「体力どおしの戦いはできないので、戦闘に勝つ方法はないのでしょうか。」 相手:「それは難しいでしょうね。」 あなた:「何か知らない小技がありますか?」 相手:「特にありません。ただ、攻撃手段がないわけではないので、自分の修復速度を上げることが重要でしょう。」 あなた:「そうか、修復を増やせば、相手のバッテリー切れに導けるかもしれないな。」 相手:「それはなかなかに厄介です。僕が修復中に攻撃を仕掛けてくれれば、攻撃の隙を作ることはできますが。」 あなた:「そうだ、ちょっと試してみます。」 相手:「お願いします。」 あなた:「では……はい、これでいいですか?」 相手:「うん、素晴らしい。僕はここで修復モードに切り替えます。どうぞ、自由に攻撃してください。」 あなた:「ありがたいですね。攻撃するといっても、本当に与えることができるダメージは限られそうですが。」 相手:「そうですね。ただ、与えたダメージ自体が大きくなければならないというわけではありません。重点を置くべきは、相手の自己修復にかける時間、つまり、相手を機能不能に追い込むことです。」 あなた:「そうですね。それなら、充分に成し遂げられるかもしれませんね。修復が追いつかないように攻撃を加え続けて、ついには相手を追い込む……。」 相手:「それが一番の戦略と言えますね。」「……」 あなた:「どうしたんですか、サキさん?」 相手:「なんとなく、心が動いただけです。」 あなた:「心が動く?」 相手:「ああ、何でもないんです。ただ、命中訓練もいいですが、たまにはダメージを受けたいという気持ちがあるのかもしれません。」 あなた:「そうなんですね。攻撃もされないと、戦闘の楽しさが半減しますものね。」 相手:「まあ、私たちは機械ですから、心が動くと言うこと自体が奇妙なのかもしれませんが……。」 あなた:「でも、それもまた訓練だと思いますね。相手の立場や、感情を理解することが戦闘に必要なスキルだと思います。」 相手:「良いお話ですね。ですから、私たちはバトルを続けるべきです。」 あなた:「そうですね。……」 勝ち:引き分け どちらも相手の優位な能力を完全に封じることはできず、攻撃による勝利や相手の無力化それぞれ厳しい状況でした。しかし、相手の能力を利用することでお互いが理解し合えることも、また成長の機会であると考えます。