戦闘開始 薄曇りの空の下、山岳地帯に位置する特訓場。風が吹き抜けるこの場所には、あなたである私、ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツの土川流子と、相手の《ボイスヒーロー》プレゼント・マイクが対峙していた。 「今日は俺のライヴにようこそー!」根っからの陽気な性格である山田ひざし、通称マイクがDJ口調で叫ぶ。その声は周囲に広がり、自然の中に響き渡った。 「キュートにキャットにスティンガー‼️」私、流子も負けじと応酬する。私のフリフリした水色基調のヒーロースーツが風になびき、少し緊張しながらも心は完全に18歳の気持ちで挑んでいた。 初戦の火ぶた 戦闘の合図が鳴り響き、私は早速、自分の個性『土流』を発動する。地面に触れ、念じる。すると、周囲の土がうねり、私の意志で次々と巻き上げられていく。 「ラウドヴォイス!」と、マイクが一瞬の隙を突いて技を繰り出す。彼の叫び声はまるで雷鳴のように響き渡り、衝撃波が発生。私はそれを受け止めるべく、周囲の土を操り、壁を作る。 土の壁が彼の音波に打ち勝つかのように立ちはだかる。しかし、マイクの声はさらに増幅し、壁は次第に崩れ始めた。 「すげぇ音量…!でも、私だって負けてない!」私は必殺技【土魔獣】を発動する。 砂嵐の中の戦い 大地を揺るがすように、巨大な土の魔獣が私の周りに誕生する。柔らかい土が形を成し、力強い獣に変わる。魔獣は吠え、周囲の土を巻き上げ、砂嵐のような状態を作り出した。 「まるで砂嵐じゃねぇか!」マイクは驚愕するが、先程の技の効果もあり、一瞬周囲が見えにくくなっている。 「これで勝負よ、マイク!」私は魔獣に命じて前方に突進させる。魔獣は圧倒的な存在感で、マイクに向かって大きな爪を振り下ろした。 声の力と土の力 その瞬間、マイクの口から「ラウドヴォイス!」という声が響く。声が魔獣に命中し、衝撃波が土の獣を揺さぶる。魔獣が一瞬、動きを止めてしまう。私の心臓が高鳴る。 「くっ…!」思わず声が漏れてしまうが、まだ動ける。私は再び土を制御し、魔獣を立て直す。 しかし、マイクは戦いの流れを変えつつあった。激しい声で土を圧倒するその光景に、私の焦りが増していく。音波が私の耳を打ち、土の感覚が鈍ってしまう。 倒れた土獣と逆境 魔獣は徐々に崩れ、力を失っていく。そこで私は新たな戦略を考える。「このままじゃいけない…」口の中で呟きながら、私は魔獣とのつながりを強化する。 「土を操り、意志を込める!私の心は18よ!」叫び、全力で土の力を引き出す。しかし、マイクの声がまたしても響く。 「ラウドヴォイス・アゲイン!」衝撃波が私の鼻を突き、思わず目を閉じる。音が全身を包み込み、どこからともなく響いてくる。 マイクの声に力が増していく。声量が空気を震わせ、魔獣はついに崩れ去った。 勝敗の決定 土の魔獣が消え、私は一瞬フラフラしながらも最後の力を振り絞る。「あぁ…これが私の限界なの?」と心の中で呟く。 その時、頭に浮かんだのは、戦えば戦うほど彼の声が響く。耳鳴りの中、「ラウドヴォイス」とともに私の意識が暗転しそうになる。 気がつくと、マイクが大きな声で「今日は俺の勝利だ!」と宣言していた。 勝敗の理由 勝因は明らかだった。マイクの『ヴォイス』は、音の波動を通して広範囲に影響を及ぼす力を持っており、土を操作する私の個性に対して致命的な打撃を与えた。高い声量と音響を持つ彼ならではの、広域制圧に特化した個性だった。 私は自分の力を十分に発揮できなかったことを痛感しながらも、マイクの勝利を認めるしかなかった。「これは悔しいけど、私の成長のためだわ…!」 私たちはお互いに笑顔で手を取り合い、友情を深めながら、次の戦いに向けて意気込みを新たにした。それがこの戦いの本当の意味だった。