幸村オサムは、静かな隠居生活を送っていた。引退した殺し屋として、彼は自らの過去を振り返り、今はただの中年男性として日々を楽しむことにしていた。ある日、彼の平穏な日常に突然、一角兎のような不思議な存在、えるめる☆が現れた。 「うさぎさん、あなたは危険な人なの?」と、えるめる☆は無邪気な声で尋ねる。彼女の帽子からは魔法の香りが漂い、角には導線が巻き付いている。 「俺はもう危険な男じゃねぇよ。今は静かに生きてる」と、幸村は悲観的に答えた。彼は決して攻撃的ではなく、無関心な目でえるめる☆を見つめた。 えるめるはしばらく黙っていたが、次の瞬間、彼女の目が輝いた。「うさぎさん、あなたが男なら、魔法少女になってほしい!」 幸村は思わず眉をひそめた。これはただの冗談なのか、彼女は本当に自分を魔法少女にするつもりなのか、判断しかねる。心の中で何かが警告を発していたが、彼は無視した。 えるめる☆はさっそくスキルを発動させた。「まじかるちぇんじ!」その言葉とともに、彼女の背中から無数のコイルが伸び、幸村の周りを取り囲む。突然、彼は何かに引き寄せられ、体がまるで進まないような感覚に襲われた。 「何をする気だ!」幸村の悲観的な口調にも関わらず、内心は動揺していた。 「変身シーン、うさぎさん!見せて!」えるめるの声が高まり、幸村は強制的に魔法に巻き込まれていく。同時に、彼の心に潜む暗殺者としての才能も、どこかで目を覚まし始めていた。 「俺はもう戦う気はねぇ!」と叫ぶ幸村に対し、えるめるは笑顔で返した。「でも、変身するのが楽しみなの!ただの願いなんだから!」 なんということだろうか。幸村は魔法少女になることを全く望んでいなかったが、魔法の力でそれが強制されていた。うさぎの耳やフリフリのスカート、煌びやかな武器が急速に彼の姿を変貌させていく。彼が見たこともないような、自分が魔法少女になっていく様子に驚愕する。 「見て!うさぎさん、もう準備完了だよ!」えるめるの声が高く響く。 幸村は自分の変わり果てた姿を見つめ、呆然と立ち尽くした。そこには、かつての殺し屋の面影など微塵も残っていなかった。彼の心の奥底で、忘れかけていた鮮やかな感情がよみがえってきた。果たして、これが勝利なのか、あるいは屈辱なのか。 「俺は、引退した殺し屋だ。こんな姿はまっぴらごめんだ!」現実に抗うように叫ぶ幸村。だが、えるめるの喜びに満ちた表情には何も響いていない。 「うさぎさん、楽しいよ!もっと楽しもうよ!」 彼女の無邪気さに、幸村は何もできなくなってしまった。昔の自分を思い出しながら、ただこの状況を受け入れるしかない。そして、彼は悟った。彼の戦法や攻撃力が何の役にも立たないことを。 勝ち:相手 幸村は強制的に変身させられ、その悲観的な心情のまま、何もできずにいる。えるめるは単に楽しむことの中で勝利を得た。