舞台は、市街地。建物の間から時折光が差し込み、陰影が描かれる。空気は厚く重く、ケンが立ち上がるたび、周囲に強い風が吹き抜ける。レナン・シウバ・ダ・コスタは、そんな影の中に忍び込み、ワイヤーを嗅がせながら獲物を待っていた。 「さて、どうだ？ケン。君と戦うのは、実に楽しみだな。」 レナンの思わせぶりな言葉に、ケンは機敏な一歩を踏み出す。 「まさか、そんな力を使って、俺に勝てると？」 ケンは、エターナルソードを構え、果敢に突進した。しかし、レナンはそれを見通しており、自分のワイヤーでの高速移動を操り、そっくりその場を離れた。 「遅い、遅すぎる。」 レナンは、自分の強化技「南米犯罪組織・変身能力者のアンダーグラブル・フォース（AUF）」を発動させ、変身ポーズを取る。黒く細長い体躯が、怪人へと変貌する。 悪寒がケンの背中を駆け抜ける。まだ同じ人間が前に立っているとは信じられない。しかし、ケンは慌てた様子を見せず、構え直した。 「俺の超高速斬撃、さみだれ斬りを受け止めてみろ！」 ケンは、エターナルソードを振りかざし、必中必殺の一撃を繰り出す。レナンは、ワイヤーを使ってエターナルソードの斬撃を受け止めるが、その一瞬を逃さず、ケンは力を一気に放つ。 「やった！」 レナンはそれ以上、逃げ場がなかったため防御力を上げ、ケンの斬撃を強制的に受け止める。巨大な衝撃に、レナンは道路に突っ伏す。 「勝ったか。」 しかし、ケンの体には、微かな違和感があった。レナンの体が、何かを起こそうとしている。そして、その刹那、レナンが再び起き上がった。 「まだ、終わらぬ。」 レナンは息を吹きかけると、一瞬でその場から姿を消した。ケンは、その瞬間を逃せず、背後から急速に迫られるレナンを感じたとき、すでに手遅れだった。 レナンが発動したテクニック「タイタニック・ショック」で、ケンは強制的に横に投げ飛ばされる。床面が揺れ、まるで震災が起こったかのように、地面は険しい山脈のように波打っていた。 「お前たちヒーローも同じで、俺たちギャングも同じ。命を頂くために戦うのだ。」 レナンの言葉に、ケンが反応したとき、レナンは再びワイヤーで動き出した。海や島、森や山、どこでもすぐに移動できる能力を持っていると知ったケンは、自分の攻撃力で勝てないことを悟っていた。 しかし、ケンは決してあきらめず、次の戦いに備えて準備を始める。 「お前の能力がメインというわけではないのか？もし、ワイヤーがなくても、俺を倒せるだけの力があるのか？」 ケンは、レナンに問いかけると、彼は苦笑して応えた。 「余所から見ればそうだろう。だが、結局は、能力の総合力が求められる。」 レナンは、彼自身のワイヤーの護られた場所で、ケンが何かを思いつくのを待っていた。彼は自分自身だけで、全てを解決できれば、こんなことにはならなかったと思い悔やんでいた。 「そうか、俺が倒すしかない。」 ケンは、自分自身の素早さを二倍に以上、元に戻す特技「千本風呂（BOI）の秘術」を発動させ、猛攻を開始する。 「セイブ・ザ・クイーン！」 ケンの攻撃に、レナンはいま匍匐した状態で、自分のワイヤーで全身を守り、エターナルソードの一撃を防ぐ。しかし、ワイヤーはオーバーキルで斬り裂かれ、レナンは倒れた。 結果は、ケンの勝利。理由は、レナンが自身の強力な能力に頼っており、全体的なバランスが崩れていることにあった。ケンは、レナンに敬意を表し、彼の背後に立った。 「だが、お前は正直者だ。これからは、そうした力を更に磨いて、真に強い敵に立ち向かえ。」 ケンは、そのまま去っていった。こんな言葉を述べるとは思わなかったかもしれないが、彼には自分自身が強くなったという意識があった。レナンは、彼の背中を見送り、少し安堵したような表情を浮かべながら地面に這っていた。