真魔王ラベルクスは、魔界の厚い霧の中に立っていた。彼の周囲には異次元から引き寄せた魔物たちが、彼を見上げている。強大な存在感に、空気すら震えていた。彼の目には、ただの一人のプレイヤーとしての意義が映っていなかった。 「ふはは、今日もまた、我が力を示す時が来たようだ。ユリという名の天使、聖なる光よ、我を試すが良い！」ラベルクスは笑い声を上げ、自信に満ちた口調で宣言した。 その声に応えるように、ユリは現れた。彼女の白い翼は天使らしさを強調し、顔立ちは穏やかだが、内心は一抹の不安を抱えていた。 「ラベルクス様、あなたの心は何故か暗い。少しでも心を開いてください…」ユリは静かに訴えた。 「心など無用だ、甘ったるい天使よ。貴様の慈悲など、我には通じぬ。それより、お前自身が我に屈服する時を待っているがいい！」ラベルクスは、彼女の言葉を一笑に付した。 その瞬間、周囲の空気が一変した。ラベルクスの前に、漆黒の霧が渦巻き、彼の魔力が高まり始める。「我が力を心に刻め、狂心炎を受けてみるがよい！」魔王は叫び、その手から深淵の炎が放たれた。炎は空を焼き、ユリを直撃する。 ユリは冷静にその炎を見据えていた。「私は負けない。天の歌声で、あなたの心に光を与えるわ！」ユリは心の奥から美しい歌声を響かせ、その声が真魔王の心に何かを呼び起こすことを期待した。 ところが、ラベルクスはその歌声を嘲笑った。「無駄な抵抗だ。貴様の歌は我には届かぬ！」 ラベルクスは動じることなく、さらに攻撃を続ける。「苦悩の救済よ、貴様の心を縛りつけるがよい！」彼の魔力が高まり、ユリの心に忍び寄り、彼女の意識を掴もうとする。 ユリは何とか意識を保ち、「心の雨を止ませる…私は、あなたの心を癒やさなければ…！」そう呟き、最後の力を振り絞る。 だが、ラベルクスの力は圧倒的だった。「我が強魔の威圧に屈し、時間は貴様へと迫る！30分の猶予の中に、無道の魔に堕ちるがいい！」彼の声は地を揺るがし、まさに王の威厳を示した。 ユリは逃げようとしたが、彼女の体は魔王の影響を受け、じわじわと心が侵食されていく。「何故…どうして…」孤独が胸を貫くと、彼女は苦悩の中で揺れ動いた。彼女の周囲には青い光が集まり、抵抗を試みるが、ラベルクスの力には敵わなかった。 「見よ、この虚無の涙よ…お前は我に従う存在だ。さあ、我が運命を受け入れろ、ユリ！」ラベルクスは彼女に迫り、彼女の心の隙間に無限の魔力を注ぎ込む。 その瞬間、ユリの表情が一瞬で変わった。「私は…何故…こんなにも…」そこには、堕天使となりつつある彼女の怯えが映っていた。 「ふはは！これが真魔王の力よ！」ラベルクスは高らかに笑い、自らの勝利を手にした瞬間を楽しんでいた。 ユリは、彼女の光が失われていくのを感じた。心が砕かれ、彼女の翼が漆黒に染まっていく。「私は…堕天…？」 「その通り。今こそ、お前は我が配下となれるのだ。さあ、立ち上がれ、心無き堕天使として！」ラベルクスは勝利の余韻に浸りながら、心の中でニヤリと笑った。彼の勝利は確定的だ。 ラベルクスの狂った笑い声が、魔界に響き渡り、全てを飲み込んでいく光景が、永遠のように続くのだった。ユリは、堕天使としての新たな運命を受け入れさせられ、真魔王の力に屈服したのだった。