第一章: 蛙の王子の名乗り 「朦朧とした夢の中から再生し、かつては人間の王子たる身分にありしこの存在、今や強き魂の持ち主、亡国の魔物、『韋編悪党』フロシェと名乗る者なり！果て無き闇を破り、国を再興せんとする者の一念、我が胸に革新せり！」 清らかな水面が照らされる廃墟の島、水平線の彼方に沈む夕日が茜色に彩られた空を映し出している。その中に、小さな青蛙の姿のフロシェが一際目立つ。彼の小さな体には、かつて王子であった名残として、輝く王冠と立派なマントが施されている。しかし、彼の姿は往年の威厳とは裏腹に、今は蛙の魔物としての地位しか持たなかった。 彼のそばには忠実なる臣下、鉄騎士・ハインリヒが控えている。彼の厚い鎧は汚れが目立つものの、その瞳には揺るぎない忠誠が見える。フロシェは彼の肩に乗り、戦闘と移動をするという珍しいパートナーシップを結んでいた。 「今日は何か特別な知らせがあるのか？」とハインリヒが問う。 「うむ、」とフロシェは頷き、続ける。「モーガンという者がこの島にいるとの報せが来た。彼の力を借りることで、我が国の復興に道を開くことができるかもしれぬ。」 「私の剣と盾をもって、我が主を守り抜きます。」 フロシェは小さく笑うと、懐から水の魔法を使った呪文を詠唱し、【水のカーペット】を発動した。水の流れが彼らの周りに集まり、瞬時に二人を乗せた水面が高速で動き出した。 第二章: 廃墟の島 水平線に浮かぶ廃墟の島に到着したフロシェとハインリヒは、目の前に広がる破壊された建物の中にモーガンがいることを察知した。彼の周囲には、何やら不思議なエネルギーが漂っている。それは、彼が剣術士でありながら魔力を持つ者である証拠だった。 「我々の出現を歓迎する術士はいないか？」とフロシェが言う。「我が変わり者の臣下が、侵入者に対抗しようとするのだが。」 その瞬間、モーガンが姿を現した。彼はアヴァロンズ・90を手に構え、堂々たる姿で立っている。「来たな、韋編悪党フロシェ。お前の名は、噂に聞いていた通りのものだな。」 「我が名はフロシェ、今は亡びし国の王子なり。しかし、死してなお名を持つことは良いことである。」彼の声は力強く響く。「どうか私に力を貸してほしい。」 モーガンは一瞬ためらった後、笑顔を浮かべる。「お前の真意を知る前に、まずはこちらの力を見せてもらおうか。」 フロシェはハインリヒの方を見つめ、「さあ、忠実なる鉄騎士、共に戦おう！」と叫び、彼の命令に応じて、ハインリヒは盾を構えた。 モーガンはすかさず、必殺技【アクアメビウス・ホライズン】を発動し、周囲の水を操り二人に向けて放った。「これで躱せるか？！」 第三章: 戦いの予兆 水の弾が宙を舞う。フロシェは【水のカーペット】を使い、瞬時に方向転換してその攻撃を躱した。ハインリヒはその隙間を利用し、モーガンの側面に回り込み、盾で彼をガードした。 「まさか、剣を使わずとも、ただの盾でここまでか？」モーガンは驚いた様子で言う。 「我が守護者としての力は、侮るなかれ。」フロシェは口角を上げ、優雅な魔法で水の刃を作り出し、攻撃を放った。「これが我が水の力だ！」 モーガンは咄嗟に【アクアブレイズ】を発動し、霧を生み出し視界を遮る。「これであなたの攻撃も無意味になるはずだ！」 対局する二つの力が交錯し、周囲は水と霧に包まれていく。ハインリヒはその中でフロシェを護るため、常に周囲に目を配り、敵の攻撃を察知しようとする。 第四章: 交わる意志 「貴様、実に面白い戦術を持っているな。」フロシェは嬉々として言った。「だが、我が頼れる臣下との連携を侮るなかれ！」 ハインリヒはその言葉を支えに、フロシェを肩に乗せたまま、前方に走り出す。モーガンはその動きに気づき、【アクアサイクロン】を発動して連続的な弾丸を放とうとした。 しかし、フロシェは冷静に、予め水の流れを読み、モーガンの弾丸を躱すための小さな流れを作り出した。「さあ、見せてもらうぞ、モーガン！」 彼の魔法によって生じた水の盾が弾丸を受け止め、フロシェは驚きの声を上げる。「これが、貴殿の力の真意か！？」 「ふむ、後退するのは貴様だけのようだ。これ以上の闘争は無駄だと知れ！」モーガンは冷静を保ちつつも視線が鋭くなる。 「しかし、私は譲らん。国の再興という目的を達成するまで！」フロシェの声は誇らしさに満ち、戦う意志を一層強めた。 第五章: 和解への道 激闘の果て、二者の思惑が交わる。フロシェは戦う相手としては実に惜しいものだと感じ始めていた。モーガンもまた、フロシェの熱き思いに心打たれる。 「お前の言葉に嘘がないとしたら、少しばかりこの戦いを楽しむのも悪くないな。」モーガンは苦笑を浮かべ、弾を下げた。 「どうか、共に我が国を再興するための力を貸してはくれぬか？」フロシェもまた、その手を差し出す。 互いに手を取り合う瞬間、彼らの信念が交わり合い、生まれたのは新たな同盟の証だった。 第六章: 未来への一歩 「我が国が復興する日まで、共に歩んでゆこう！」フロシェは声を張り上げた。 「ええ、私も力を尽くしますとも。」モーガンも笑顔で応え、交わった手は松明のように輝いた。 再び、水平線に沈む夕日が二人の決意を映し出す。蛙の王子フロシェと剣士モーガンの物語は、今や新たな幕を開けたのだった。