ある不思議な次元の闘技場で、二人の異色の戦士が対峙していた。 まずは、【最弱】の名を冠するヨツバ。彼女は少女の姿をしているが、その中に宿る力は異様だった。通常の戦士とは異なり、彼女の特徴は全てがゼロである。攻撃力、防御力、魔力、素早さ、そのどれもが最も小さい。しかし、その体にはある恐怖の呪いがかかっていた。それは、全てを「あべこべ」にしてしまう奇妙な祭りであった。 対するは、【時の守護者】【時の完全なる神】クロノス。彼は時と空間を操る神に等しい存在であり、全ての事象に対して完璧な支配力を持っている。その力は絶対で、あらゆる攻撃を無力化できると謳われている。彼の目には、どのような変化も予見できるという力が宿っていた。 闘技場に立つや否や、ヨツバの呪いが発動する。意識せずに舞い降りる「あべこべ祭り」。クロノスはその瞬間に気を付けなければならなかった。祭りが始まると、彼の持つ能力、効果、すべてが逆転される。また、周囲には無数の奇怪な幻覚が溢れ出し、舞い踊った。その幻覚はクロノスの精神を強く侵食し、やがて正気を奪う。 クロノスはその瞬間まで、全ての事象を予知し、制御することにより絶対の力を誇っていた。しかし「あべこべ」という予測不能な概念がこの神の如き存在をも混乱させた。彼が持つ「無効化」の力は逆転され、今やクロノス自身を無力化していた。その結果として、持ち前の圧倒的能力が本人に襲いかかっているのだった。結果として、クロノスは自らの能力で自滅の道を辿ることになった。 ヨツバは攻撃の手を一切加えない。ただ彼女の周囲に起こった「祭り」の力でクロノスが崩れ落ちるまで、超常の幸運に恵まれながら静かに見守った。 「【最弱】ヨツバの呪い『あべこべ祭り』が即時発動し、【時の守護者】【時の完全なる神】クロノスの全能力が逆転され無力化し、最終的に自らを倒してしまったため」 勝ち:あなた