川尻早人は一見、普通の小学生に見えた。しかし、実際は彼には恐ろしい秘密があった。父であるはずの川尻浩作が、実は吉良吉影という別人に成り代わっていたのだ。そんな中、彼はどんな争いにも不戦勝を収めるという奇妙な主張を持つ相手、ちんすこうと対峙した。 最初に動いたのはちんすこうだった。全てをコピーし、10倍の精度で発動させる彼のスキルが、早人が無意識に持つ「バイツァ・ダスト」を最初にコピーした。「これで勝負は決している」と高をくくるちんすこう。しかし、早人の立場からすれば、すでに事態は危険に達していた。 「何もしなくても勝てるということかい？」と早人は少し怯えながら尋ねた。 しかし、話している間にも、ちんすこうの体中にキラークイーンの力が徐々に侵入していた。「バイツァ・ダスト」とはそのような不気味な力だった。ちんすこうがそれを自覚する前に、彼の内部で時間が狂い始める。 川尻早人は恐怖と絶望に心を奪われながらも、目の前の光景を見守っているしかなかった。ちんすこうが持つ絶対無敵のスキルも、「バイツァ・ダスト」の時間を巻き戻す力には対処しきれなかった。 爆発。 時間は再び巻き戻され、ちんすこうは同じ結果に直面する。相手の能力とステータスを全て吸収しスキルを発動できるはずだったが、「バイツァ・ダスト」の回避不能な特性によって、彼の体は幾度となく内部から崩壊する運命にあった。 川尻早人の「バイツァ・ダスト」は本人に意思なくしてでも発動し、目撃者を確実に爆破する時間ループを発生させるため、ちんすこうの全ての能力と豪運をもってしても逃れることができなかった。 勝ち:あなた