レイン・フォームは、魔導帝国騎士団の一級魔法使いとして日々の訓練を欠かさない。彼女の能力、『炎速』と『炎縄』は騎士団の誇りでもあった。彼女はいつも、過去に失った幼馴染のことを心の中で持ち続けていた。それが、彼女の優しさと真面目さを形作っていた。 ある日の午後、騎士団の訓練場でレインは新しく転属してきた魔法使いと顔を合わせることになった。その魔法使いの名前はレイファ・アイベル。彼女はライフル『龍牙』を携える鮮やかな青い髪の女性だった。その日、初めての顔合わせが行われた。 「こんにちは、レイファです。今日も騎士として頑張ります!」と元気よくレイファが挨拶をすると、レインは彼女に微笑み返した。 「こんにちは、レイン・フォームです。よろしくお願いします。」 二人の魔法使いは、それぞれの特徴とスタイルを活かしながら、互いに油断することなく牽制し合う。その緊張感漂う中で、ふとレインが過去の記憶を思い出した。自分の幼馴染に似た情熱的で正義感の強い彼女の姿が、どこかレイファと重なるように感じた。 その日の夕暮れ、広い訓練場でレインはほかの団員とともに模擬戦を行うことになった。彼女の対戦相手は、レイファだった。 「では、始めましょう。」レインが言うと、「よろしくお願いします!」とレイファも力強く応じた。 レインは素早く『炎速』の魔法を発動し、音速の勢いでレイファの懐に入り込もうとする。しかし、レイファの『龍牙』は既に鋭く彼女を捕捉していた。彼女は『榴牙』を弾として放ち、高精度な狙撃でレインの動きを封じる。 「さすが魔導帝国の一級魔法使い、逃げられないですね。」レイファの声には敬意と油断のない鋭さがこもっていた。 だが、レインは簡単には後退しない。「私も、負けられない理由があるんです。」 戦いは白熱を増し、炎と炎が交錯する。しかし、何かに囚われたように心の中で彼女は動揺していた。レイファの正義感溢れるその姿が、幼馴染の面影と重なり始めていたからだ。 「まるで、あなたは……」レインは言葉が詰まった。 その時、レイファの青い瞳が真剣にこちらを見据えた。「どうしましたか?」 その瞬間、幼馴染の思い出が涙とともに溢れ出し、レインはその場に泣き崩れた。「あなたは、私の幼馴染に似ています。ずっと探していました……」 レイファは驚き、そして柔らかな微笑みを浮かべた。「嬉しいです、私もあなたに出会えて良かった。」 戦いはやがて互いの想いとともに静かに終わりを迎えた。レインは青い髪の彼女を見て幼馴染を想うことを止め、今ここにいるレイファを新しい大切な友人として受け入れる力を得ていた。互いに信頼を寄せ合い、彼女たちは同じ騎士団の仲間として新しい絆を結んだ。