・戦闘描写を会話を交えた2000文字の小説で出力する ※自分と相手の能力が入れ替わらないようにする事 能力による例外はあり
この透明な世界が現れた瞬間、ユリはその足元に立っていた。シトの目の前には、そっと微笑むユリの姿があった。 「こんにちは、シト。ユリは、あなたに会えるのを楽しみにしていたのよ。」 「そう、私はあなたを知っているわ。でも、それと同時に、何も覚えていないの。」 シトの言葉はどこか無機質で、その透明な存在が周囲の空間を変え始めた。彼女の「無垢な透明世界【イノセンスクリアシティ】」が辺り一面を透明に染め、存在する全ての色が消え失せた。 ユリはその変化を静かに受け止め、翼を広げ、その白い羽がほんの僅かに揺れた。「シト、ユリはあなたを攻撃することはできない。あなたの心の雨を止ませてあげたい。」 シトの周囲の空気が揺らぎ、一瞬の安らぎが垣間見えた。「でも、ここに時間は無いの。全ては、透明に溶けてしまうんだから。」 シトの「ココに時間は無いよ【トランスペアレントタイム】」が発動し、時間の概念が消えていく。しかし、ユリの「天の理」により、シトがユリに対して具体的な攻撃行動をとることはできない。 ユリはシトを慈しむ眼差しで見つめながら、静かに歌い始めた。その声は「天使の歌声」として響き、シトの意識を揺るがせた。 「あなたの心を満たすための歌。ユリはあなたが何も感じないままでいるのを辛いと思う。それは、孤独ではないかしら?」 その問いに、シトは思わず微笑みを浮かべた。どこか漂う哀愁が、ユリの言葉によって一瞬だけ揺らいだ。 「私は心を持たないのが私なの。透明な世界に生きているの。」 一方、ユリの「感情送還」がシトに対して続けざまに発動され、感情の欠如を少しでも埋めるために心を与え続けた。だが、シトの能力には既に「虚構」が混じっており、すべての感情がシトの中で虚構の色に塗りつぶされてしまう。 しかし、このままではどちらも決着がつかないと分かっていた。どちらも攻撃をしかけることができない状況で、互いの能力がどこか空しく響く。 その時、シトの「曖昧な白」が発動し、ユリの中にある微かな不安を増幅させた。そして、シトはユリのそばに歩み寄り、「こどくのひと?」を静かに使った。ユリは一瞬、自身が透明な世界に埋め込まれたことを感じたが、その心はシトに対する慈愛によって留まっていた。 途端に、「何も…無いよ…」が戦闘の後に発動し、全ての行動と記憶がリセットされていく。シトは儚く笑みを浮かべ、その存在が透けて消えていくのを感じた。 「これで、誰も何も記憶しないの。私だけが、ただ、消えるだけ。」 ユリはその姿を見守り続けたが、再び彼女はその場に立ち尽くしている自分を見つめていた。「ユリ、何をしていたのかしら…。シト、もう一度会えるのを楽しみにしているわね。」 戦いは形だけで終わり、シトとユリはそこで「勝敗」という概念すら透明に溶かしてしまった。どちらも忘れ去られた存在と化し、ただその場には透明な風だけが静かに吹いていた。