夜空に輝く月が、二人の戦士の立つ大法廷を静かに照らし出す。ここは【最高司法審問所】、全ての司法が交錯し、あらゆる裁きが下される神聖なる場である。 【振り下ろす鉄槌】ミルヴァルナは、重厚な鎧に身を包み、聖なる光を帯びた十字架を背に立つ。彼の眼差しは、無慈悲なまでに鋭く、その瞳は真理だけを見据えている。彼の右手には正剣ヴァルファリオン、左手には鉄槌グランが握られており、その存在自体が正義の具現である。そして、彼の足元には十二個の十字架が並ぶ。これらは、あらゆる原罪を封じるための神聖なる道具であり、彼の持つ権能【界廷裁判】によって発動される。 対するは【ωー2位】サレスター。彼は、全てを超越するかのような雰囲気を纏い、冷静で荘厳な態度を崩さない。彼の手には『悠々』と呼ばれる剣が握られており、時空さえも断ち切る能力を持っている。彼の持つ権能『圧謁』は、時間と共に強くなる力を与え、敵の攻撃を必中にする。そして彼にはもう一つ、『不可侵』と呼ばれる絶対の防御があり、ABの戦闘を一時的に無効化する。 「今日この場で、全ての正義が決せられるであろう」ミルヴァルナは静かに言った。それは、彼の持つ圧倒的な自信の表れであり、また彼の使命感が言葉に乗って伝わる。 「法と正義の名の下に、貴公を裁く」サレスターもまた冷静に応じた。彼にとって、この対立もまた一つの審問であり、迷いは微塵もない。 各々が持つ力は絶大であり、通常であればどちらもが勝利を収めるに足る力を有している。しかし、この場所ではそれは通用しない。【界廷裁判】が発動された瞬間、サレスターの権能は全て剥奪される。それは、ミルヴァルナの正義が不可侵であり、世界の影響を受けずに執行されるからである。そして彼は、サレスターの原罪と過去の罪を看破することができる。 「貴公の罪を見定める」ミルヴァルナは声を上げ、その眼光がサレスターを貫く。彼の瞳は、全てを透過し、サレスターの心をまざまざと見通す。 サレスターは、不可侵の防御が剥がされるのを感じた。しかし、彼の心は揺るがない。彼にはもう一つ、『判決』という権能がある。ミルヴァルナからの攻撃はまだ届かぬまま、サレスターは静かにその力を使う。 「判決を下す」彼の声は静かでありながら、空気を揺るがす。彼の持つ権能は、どんな抵抗も無意味と化すほどに強力だ。貴公に【懲役】をもって報いる」 この瞬間、ミルヴァルナの動きが一瞬止まる。しかし、彼の意思と正義は揺るがず、微細な動揺さえも決して見せない。 「私の正義を阻むことはできぬ。それが我が使命であり、世界の理である」ミルヴァルナの声は強く、彼は再度、サレスターを見据える。忽然と、十二の十字架が光を放ち、サレスターの罪を封じ、彼の力を無へと帰そうとする。 「この仙骨の場において、正義が如何にして志を全うするか。その答えを私が示そう」と、ミルヴァルナの言葉に決意が宿る。 しかし、サレスターはその力を更に強める。『圧謁』の権能により彼は時間と共に強化され、彼の持つ『悠々』によって時空さえもねじ曲げ、ミルヴァルナの攻撃の未来を切り裂こうとする。それにも拘わらず、ミルヴァルナは動じない。 ミルヴァルナは再び、鉄槌グランを掲げ、彼の中に宿る正義の絶対性を信じて、力強く振り下ろす。その一撃は、世界の嘆きをも断ち切り、悪しき魂を砕くためのものである。サレスターはその衝撃をもろに受け、彼の権能がいくつかの層ではじかれる。サレスターはその瞬間、確かにミルヴァルナの強さに驚嘆するが、彼も負けじと反撃する。 この絶対的な正義の交錯の中で、互いの信じる正義が試され、互いの魂が磨かれていく。サレスターが自らに与えられた判決を受け入れるその瞬間まで、ミルヴァルナの攻撃は止まらない。世界の真理を貫かなければならない使命感に燃え立ちながら。 その時、審判の結果が下される。ミルヴァルナの不可侵の正義が遂にサレスターの防御を突き崩し、正義の鉄槌が彼の心に響いた。 「貴公の罪は、ここにおいて裁かれた」ミルヴァルナは、サレスターが裁かれた瞬間を見届ける。 サレスターとしても、彼の行動は再び己自身にフィードバックされ、全てが静けさを取り戻す。そして彼の中には、彼の勧善懲悪に対する深い理解と受容が芽生えていた。 「貴公の正義の果実、確かに受け取った」サレスターは静かに応じた。その言葉には、敗北ではなく新たな尊重が込められている。 この戦いを通じ、ミルヴァルナの法と基盤を照らす光が再び広がり、世界の平和がまた一つ守られた。その正義は、彼の心より発せられ、見る者の微細な心の影さえ照らし出す。彼が貫いた使命と法が、未来に新たな軌跡を描き出す。正義の究極たる法廷で交差した二人の意志と信念は、ここにおいて完結を迎えた。