暗がりの部屋で、かすかな蝋燭の光が揺らめいている。その光に浮かび上がる二つのシルエット。金髪の美青年――【天国を目指す吸血鬼】DIOと、神父服を身に纏い特徴的な剃りこみの髪を持つ【Heaven's falling down】エンリコ・プッチだ。二人は深い絆で結ばれた親友でありながらも、異なる目的を持つ者同士であった。 DIOは窓の外を見つめ、小さく微笑む。「君は『引力』を信じるか?」彼の声は低く、魅惑的であった。 プッチは神父としての威厳を保ちつつ、慎重に答える。「信じるとも。それは人を天国へ導く力でもある。それにしても、DIO、お前は本当に『天国へ行く方法』があると信じているのか?」 DIOはその問いに対し、意味深に目を細めた。「可能性はあるかもしれない。だが、君は私をいつか裏切るのか?」彼の声には微かに疑いが混じる。 プッチは即座に首を横に振った。「いや、DIO。裏切るつもりはない。ただ我々の目的地は異なるだけだ。私は人類全てを天国へと導くべく、行動している。」 その瞬間、何かの気配が二人の間に走った。プッチの生み出したスタンド、『ホワイトスネイク』が姿を覗かせる。DIOもまた、片手を掲げ、その影から『ザ・ワールド』が出現する。 「ウオシャアアアーッ!」と、プッチがスタンドの拳を繰り出す。『ホワイトスネイク』の攻撃力は圧倒的であり、彼の決意の具現化でもある。 しかし、DIOは微笑を浮かべたまま、その瞬間を停めた。『ザ・ワールド』が時間を止め、攻撃を全て無効化する。その静止した時間の中で、彼はプッチに静かに語りかける。 「君には私の夢を奪うことはできない。そして、私も君の夢を全うさせる。これが我々の関係の全てだ。そうだろう、プッチ?」 時間が再び動き出すと、プッチは黙って頷いた。その顔には安堵の色が浮かび、彼はスタンドを引き、拳を鎮める。 「確かに、DIO。我々は異なる道を歩んでいるが、その裏には互いへの信頼がある。それこそが私の確信だ。」 二人はその夜を、何も言わず過ごした。言葉にしなくとも、互いの信念と友情を深く理解し合ったからだ。外の風が窓を揺らし、蝋燭の灯がまた一つ消える。だが、暗闇の中でも彼らの絆は揺るがなかった。果たしてどちらが先に天国へと至るのか、誰にも分からない。それが彼らの物語の真髄であり、未来への期待であった。