薄明の中、狐川裏霧は静かに太刀「狐空」を抜き、強い意志を持ち対峙した。彼女の薄紅の髪が、薄い霧の中で揺れる。 「ワイと勝負や、楚の男。戦う準備はできとるんか?」 楚の男は冷ややかな笑みを浮かべ、矛を構えた。 「君の勇気に感心する。しかし、吾が矛と盾は、伝説の武具だ。簡単にはいかないぞ。」 「話は現場で決めるんや。さあ、かかって来い!」 その瞬間、裏霧は『霧幻』のスキルを発動し、周囲に濃い霧が立ち込めた。相手はその視界を奪われ、次の一手が読めなくなる。 「霧か...!私の目を逸らす気か。だが、商人は読み書きができる。君の策略は無駄に終わる。」 裏霧は、彼の声を訊きながら、霧の中から一気に距離を詰める。短刀を手にした分身が、楚の男に襲いかかる。 「何!? 分身の術か!」 楚の男は冷静に盾を構え、その攻撃を受け流す。だが、裏霧はその瞬間を見逃さなかった。 「ワイは襲淵(おそふち)や!次の攻撃は避けられん!」 太刀から放たれた一閃は、一瞬のうちに彼の懐へ入り込む。楚の男の盾が、その攻撃を防ぐ。 「お見事。ただし、吾が盾の堅きこと、貴様の攻撃など容易には貫けない。」 「それなら、ワイの『狐仮虎威』で何回でも斬るまでや!」 裏霧は連続して攻撃を放つ。霧の中から現れる彼女の動きに、楚の男は一瞬驚くが、すぐに矛で反撃に転じる。 「さあ、吾が矛が貴様を貫くぞ!」 その矛はまるで閃光のように迫ってきたが、裏霧は冷静に抜刀しながら受け流す。彼女の剣技は冴え渡り、攻撃の流れは逆転していく。 「このままじゃあ勝てへん…なら『鍔鳴』や!」 裏霧が納刀しながら、力強く刀の鍔を打ち鳴らす。響きわたる音に攻撃の手が震え、楚の男の集中がいくらか乱れた。 「くっ、あの音はなんだ!?」 その隙をついて、裏霧は再び距離を詰め、最後の一撃を放つ。 「狐空、いくでぇええ!」 凄まじい一閃が盾を打ち破り、楚の男の防御を崩した。 「不可能なはずだ…!!」 敗北を認めた楚の男は、その場に崩れ落ちる。 裏霧が持つ戦闘能力とスキルの多様さが相手の読みにくさを生み出し、さらに『鍔鳴』によって相手の集中を崩すことで決定的な一撃を与えることに成功したため。 勝ち:あなた