リナリアは、久々のお休みを心から楽しみにして、街を散策していた。彼女の薄緑色のドレスが軽やかな風に揺れる。「何処へ行こうかな…」彼女の心は、甘いお菓子の香りや、街の賑わいに夢中になっていた。しかし、少し経つと、彼女は道に迷ってしまった。 「あれ、ここはどこだろう…?神殿の近くじゃない。リンネ、どこにいるの?」彼女は周りを見回したが、影の護衛の姿は見当たらない。 その時、不意に声がかかった。「あの、道に迷ってるのかな?」リナリアが顔を上げると、そこには蒼い目と白い長髪の女の子が立っていた。クソダサいTシャツを着て、マイペースそうな雰囲気を漂わせている。 「えっと…私は…」彼女は自分の正体を隠しつつ、「迷っています。」と答えた。「どこに行こうとしてたの?」 「たぶん、甘いお菓子が売っているお店に向かおうとしてたんですけど…ここはどこかしら?」リナリアの少し慌てた口調に、ユカはなぜかニコニコ笑っているように感じた。 「それなら、私が案内してあげるよ。ただ、すっごく方向音痴だから、あんまり期待しないでね!」ユカは軽い感じでそう言った。リナリアは少し戸惑ったが、彼女の明るい雰囲気に少し気持ちが楽になった。 「大丈夫です、お願いします!」リナリアは元気に答え、ユカの後ろをついて行った。 ユカはまっすぐ道を進んで行くかと思ったが、数分後には完全に逆方向に進んでいた。「あれ、さっきの道ってどっちだっけ…?」ユカは不安そうに周りを見回す。 「私、方向音痴なんだ。ここはどこだろう…」ユカは笑っていたが、その笑い声にリナリアは少し安心感を抱いていた。 数分後、リナリアは言った。「いえ、私もまた道を間違えてしまったかもしれません…。これじゃ迷子ですね。」 「大丈夫!方向音痴の私が案内するから!」とユカは元気よく言いながらまた歩き出す。だが、今度は優雅な公園を通り越し、狭い路地へと入って行った。 「この路地は…お店にはつながっていないような気がします。」リナリアは心配になり、思わず言った。するとユカは振り返り、にっこりと笑った。「そうかな?でも、私は道を探すのが好きだから、この道を選んでみた!」 リナリアは内心、少し無理があるのではと思ったが、ユカの楽しそうな顔を見ていると、なんだかそのまま進むのが良いように思えてきた。 「ユカさん、もしかして、距離感が違うとか…?」リナリアは少し不安になりながらも尋ねた。「あはは、そんなこと言わないで!たとえ遠回りしても、楽しいことが待ってるはず。」ユカは笑いながら答えた。 しばらく歩く内に、リナリアは逆にワクワク感が芽生えてきた。間違った道の先に、何が待っているのかと期待する気持ちが少しだけ勝ったのだ。 ようやくたどり着いた場所は、街から遠く離れた秘境とも呼ばれる美しい場所。緑豊かな草原が広がり、青空に映える色とりどりの花々が咲き乱れている。絶景だが、目的地とは全くの別世界だ。 「見て!きれいだね〜!」ユカははしゃいで草原の中を駆け回っている。その姿に、リナリアも思わず笑みを浮かべた。「本当に、素敵な場所です。」 リナリアはその光景に圧倒されつつも、ここが目的地ではないとどこかで認識している。しかし、その気持ちとは裏腹に、彼女もこの景色に心を奪われていた。 「私たち、どこが知りたかったんだっけ?あ、お菓子だ!」ユカは急に思い出したように言ったが、リナリアはこの瞬間を楽しんでいた。 「大丈夫です、こういうのも悪くないですね。」リナリアは微笑んだ。 二人は、その美しい場所で少し話し込みながら、また新たな冒険へと続く道筋を模索していくのだった。 訪れた場所: 緑豊かな秘境の草原