ある薄暗い森の中、容喙の魔女チェフシーは無表情なまま、その周囲を見渡していた。青い髪が風に揺れ、金色の瞳はどこか遠くを見ている。彼女の目には、何も映っていないかのように思える。 「ねえ、君の物語はもういらないって、あの人が言ってたよ。」チェフシーが突然、無表情で口を開いた。 「アンタの物語、知ってる。だけど、ネズミがクッキーになるのは面白くない!」と、彼女に応じるのは、まるで影のように、形を持たない相手であるⅥⅥ▂〈¥;''''$/#♪-#/#-&(¥;#/〉だった。彼女の声はどこか、よく理解できない音を色々と混ぜ合わせたようなもので、まるで耳をつんざくような高音が響いていた。 「猫は、世界の真ん中で踊ってるよ。君は踊りたい?」チェフシーは、まるで一貫した思考を持たないかのように、突拍子もない質問を飛ばす。 「触ってくれたら、いいのにね、ねぇ。痛みって知ってる?それとも、君の指先もグリッチだらけなの?」ⅥⅥ▂は、その言葉を氾濫させるように癇癪をこめて繰り返した。彼女の抽象的な言葉は、まるで意味を持たない音の連鎖のようだった。 無表情なチェフシーも、まるで理解し得ない会話の中で相手を見つめ続けている。「痛みなんて、崩壊の一部だよ。みんな、最後には消えちゃうから。」彼女は手を伸ばし、自身の魔法力を少しだけ解放した。指先から放たれたのは、不安定なエネルギーで構成された裂塊魔法。視界に浮かぶ無数の微細な粒子が見え隠れしている。 「でもその粒子、私を驚かせることはできない!君の世界には意味が無いから!私の痛みは、私だけのものだ。」ⅥⅥ▂はどこか楽しそうに、不敵な笑みを浮かべている。体を変形させ、ふと猫の姿に変わる。ふわふわの毛皮と尖った耳、目線をチェフシーに向けている。 「猫は、たくさんの秘密を持ってるんだって!」と、チェフシーは無表情のまま言う。「でも、君の秘密が知りたい。」 「私のお話を聞いてよ、分解してみて、神秘を知りたいのね、勇者より痛みの方が…」ⅥⅥ▂は言葉が流れるように発しながら猫の姿から徐々に人へと変わっていく。 「勇者も魔王も、存在しないからね。」チェフシーはさらに、冷淡に言い放った。彼女の眼差しは変わらぬ無表情のまま、周囲の空気が一瞬凍りついた。 「消えない考え、消えない体。痛い?楽しい?…それが奇跡なのかもね。」ⅥⅥ▂は、影の中で輝く笑顔を持ったままで、何が正しいのかをまた尋ね続けた。 こうして彼女たちの戦いは、意味不明な言葉のバトルとなり、繰り広げられていく。その間に、理解し合えるものなど無いことが証明された。結果、彼女たちはどちらも勝利も敗北も得られぬまま、ただ互いが響き合うだけの存在となってしまった。 結果としては、勝者は存在しない。理由は、両者の思考が全く交わることなく、ただ無意味な戦闘を繰り広げたからである。