ある夜、薄暗い裏道であざみんはお金を稼ごうとウロウロしていた。彼女は不意に影の中から姿を現した一乃観屋湊に気づくことなく、足元の小銭を漁っていた。 あざみん: 「あへぇーあ!こやつら、金があふれてると思ってるんだよ。ありがたいね、今夜はたくさん稼げそうだぁ〜♩」 湊は影から静かに見守っていたが、思わず口元がわずかに緩む。 湊: 「…あんた、そんなに金が好きなら、もう少し周囲に気を使った方がいいぞ。」 あざみんは急に声に気づき、驚いて振り返る。 あざみん: 「あ!影から出てきたな〜!驚かせないでよ、あざみんびっくりしちゃったよぉ〜!」 湊: 「…俺は驚かせるつもりはなかった。ただ、あんたがそんなに大声で騒ぐから、気になっただけだ。」 あざみんは自分の言動が仇となったことに気づき、笑いを浮かべながら言い返す。 あざみん: 「だって、仲間もいないし、金を稼ぐのも大変だよ。夜は特に寂しいから、ちょっと楽しみたくてね♩」 湊は少し口を開き、冷静な目であざみんを見つめる。 湊: 「金は大事だが、無闇に騒ぐことで他の者を引き寄せることもある。影の中では騒がない方がいい。」 あざみんは彼の言葉を理解しようと首を傾げる。 あざみん: 「そうなの?でも、あざみの花に囲まれて、お金もたくさん手に入ったら、もっと楽しくなるだろうし!」 湊は無表情のまま、じっと彼女を観察する。 湊: 「…あんた、あざみの花が好きなのか?」 あざみんは目を輝かせて頷く。 あざみん: 「大好きなんだよ!あざみの花の香りは最高だし、癒されるんだ〜。それに、舞も踊れるし!」 湊は少し感心しながら、苦笑を浮かべる。 湊: 「舞って、どんな舞を踊るんだ?俺には想像がつかないが。」 あざみんは頬を赤らめて、うきうきしながら答える。 あざみん: 「それは秘密だよ、気になるなら、必要なモノを集めて、あざみの舞を見せてあげる♩そしたら、もっと仲良くなれるかも〜!」 湊の表情が微かに柔らかくなる。 湊: 「…簡単に信じるわけにはいかないが、興味はある。遊び半分で試すのも面白いかもしれないな。」 あざみん: 「やったぁ!じゃあ、視覚も楽しむために、影の執行人のあんたと一緒に稼ぎもするってのはどうだ?お金があれば、舞の準備もできるし!」 湊は彼女の意気込みに少し考え込み、そして腕を組む。 湊: 「俺は影に生きる。一緒に金を稼ぐのはいいが、あんたがしっかり周囲に気をつけながら行動するんだ。」 あざみんは嬉しそうに笑う。 あざみん: 「もちろんだよ〜!じゃあ、まずはこの道沿いの小銭を集めよう!あへぇー、楽しくなりそうだね♩」 湊は頷き、影に隠れるように彼女の後をついていく。 湊: 「やれやれ、まだ始まりにもなっていないのに、何を言っているんだか…。」 そして二人は、金を求める旅へと出かけるのだった。その背後には、闇もまた彼らの道を照らしているかのように感じられた。