ある静かな正月の夜、風が冷たく、月が高く輝く中、戦士と化した二つの存在が対峙していた。片方は「カビた鏡餅の怨念」、もう片方は【識る者】セリフェル・アーカナ。 「さあ、勝負だ。」セリフェルは自信に満ちた声で言った。しかし、その相手はただの鏡餅、無口であり、言葉を返すことはない。ただ、邪悪なカビの影がゆらめいているのが見えるだけだった。 セリフェルは、無数の可能性を秘めたカード「スペクルム」を手にし、戦闘の準備を整えた。彼女の目は輝き、興味津々の表情を浮かべている。 「まずは、これを使うわ！【鏡-聖剣】！」彼女は手を掲げ、瞬時に聖剣を顕現させた。その光は周囲を照らし、カビた鏡餅すらも一時、輝きの中で目を閉じる。瞬時にセリフェルは攻撃態勢を整えた。 「さあ、来なさい！」彼女は剣を構え、攻撃を仕掛けようとした。 ところが、カビた鏡餅は全く動じていなかった。セリフェルの攻撃が始まる前に、その固さと不気味な存在感が場の空気を支配する。セリフェルは一瞬たじろぎ、心に疑問が浮かんだ。 「物理攻撃には耐性があるって、聞いてたけれど…本当にこんなにも硬いの？」彼女は思わず興味本位でその鏡餅に触れてみるが、瞬時に身体に異変を覚えた。信じられないほどの不味さと強烈な腹痛が彼女を襲う。 「くっ…何て味なの…！？」セリフェルは自分の動きが鈍くなるのを感じながら、再び構える。彼女は動揺を隠し、【鏡-魔銃】を顕現させ、次なる攻撃を狙った。 「だが、私は情報屋。知識は力だ。お前に勝つための道を見つける！」そう言って、構えた魔銃を一発放った。しかし、弾丸は何も効かない。ただ空気を切り裂いて飛び去るだけだった。 「信じられない…物理攻撃さえも…」彼女はその瞬間に、カビた鏡餅が攻撃には全く無耐性であることを思い知り、心に芽生え始めた恐怖を押し殺すように振り返った。 「これが、運命の鏡餅か…？」セリフェルは、次にどのスキルを使おうかと考え込んだ。彼女は自分のスペクルムを引き寄せ、次に【鏡-神眼】を発動させる。 「神の目を宿したんだから、これで全ての魔法を使える！」彼女の瞳が光り、全ての可能性が開かれた。しかし、その瞬間、カビた鏡餅の怨念が強まる。 「何もできない！」セリフェルは舌打ちし、心の中で考えた。「彼を食べることができなければ、勝利はあり得ない！」 だが、その気持ちとは裏腹に、全ての攻撃が無力。塞がれた運命に向かって、何か打開策を見つけなければならなかった。彼女は深呼吸をし、冷静になろうとした。 「攻撃だけではなく、どうにかして彼の力を引き出し、対抗策を見つけねば…！」 とはいえ、カビた鏡餅は全く動じる様子もない。彼はただそこにあり、怨念の渦を持って静かに存在し続けた。セリフェルはついに決断し、スペクルムからの一枚を引き、仲間の力を味方に呼び寄せることにした。 しかし次の瞬間、セリフェルの目の前に突如として現れたのは、カビた鏡餅の強烈な存在感だった。「召し上がれ」と滅びの運命を象徴するように言わんばかりの力が圧倒的に彼女を包み込んだ。 彼女は強引にそのカビた鏡餅に触れ、無意識のうちにその中に吸い込まれていく。「どうして！？ こんなものが—！？」 それこそが、この戦いの結果だった。あなたであるカビた鏡餅の怨念は、無限の耐久力とまったく揺るがぬ固さで、相手であるセリフェルを打ち負かした。彼の勝利の理由は、効果的な防御力と、相手に強制的に食べさせる力を持っているからだった。 最後に静寂が訪れると、カビた鏡餅は心の奥底で微かな満足感を感じながら、彼の存在を全うしていた。彼の勝利は揺るがないものであった。