静寂が支配する迷宮の深層。厚い石壁に囲まれた広間で、花園ミキとル・シャガラクが対峙していた。二人の間には緊張が漂い、互いの気配を感じる。ミキの金髪が光を受けて煌めき、たくましい筋肉が施した鎧の隙間からちらりと覗く。その姿は、剛毅さと美しさが同居する異様な存在感を放っている。 「よーし、お母さんがんばっちゃうぞー!」ミキが声高に叫ぶと、周囲の空気が一変し、彼女の膂力が炸裂するように放たれた。 対するル・シャガラクは、古き清潔な僧兵衣を纏い、落ち着いた面持ちで祈りを捧げていた。その高さと闊達さを誇る体格は、彼が生きる信念を具現化したかのようだ。「我が拳こそ、神の訓戒。」彼は低い声で呟き、内なる神聖な力を感じる。拳の一撃にそのすべてを込めるため、集中が高まる。 最初に動いたのはミキだった。彼女は力強く地面を蹴り、重厚な鎧が音を立てる。足を大きく引き上げ、瞬時に前へと加速。彼女のハルバードが空を切り裂いて、ル・シャガラクのもとに急接近する。光を受けた刃は、まるで太陽の如く輝き、その軌道を描きながら迫る。 ル・シャガラクは、流れるように体を捻り、ミキの攻撃をかわす。しなやかに横に身を引くその動きは、まるで格闘の舞を踊っているかのようだった。「神の訓戒に従うがゆえ、我が拳を!」彼の拳から、青白いオーラが立ち上る。光が彼の拳を包み込むにつれ、周囲が微かに震える。 ミキはすでにフォローの準備をしていた。体を捻じり、そのまま腰を低く落とすと、ハルバードを反転させてル・シャガラクの腹を突く。重力に引かれたその動作が、はっきりとした音を立てて空気を切る。 ル・シャガラクは、拳を額に当てて神聖な力を集中させ、下から上に向かって強烈な「教えの拳」を放った。ミキのハルバードと衝突した瞬間、衝撃波が生まれ、周囲の空間を揺るがす。光が弾け、二人の筋肉がそれぞれの力を正反対に引き合う。 「まだまだ!」ミキは熱狂的に叫び、両足を踏ん張り、もう一度の攻撃を繰り出す。ハルバードを振り上げると、その刃先から炎のような光が放たれる。彼女の背後に、神々しい光が渦巻いているかのようだった。 ル・シャガラクは、その「炎」の勢いを無視し、真っ直ぐにミキへと向かう。神聖なオーラを纏った拳は、まるで火の勢いに抗うかのように勇ましく進み、ミキの懸命な攻撃を打ち消していく。 「神の名のもとに!」拳がミキのハルバードに直撃する。その瞬間、ミキの手が大きく反動で弾かれ、ハルバードが空中に舞い上がる。「痛くないぞ、そんなことは私には効かない!」彼女は不敵に笑い、駆け寄って行く。 だが、ル・シャガラクもすかさずその隙を狙った。地を蹴りつつ、高く跳躍しながら、一撃を放つ。「戦う者、神の加護があらんことを!」盤石な構えから繰り出される拳は、まるで大地を揺るがす一撃のようだった。 ミキはギリギリでその攻撃をかわすが、彼の技は追尾する兼ね合い。彼女の身体が流れるように回転しながら、自らの周囲を見透かし、再びハルバードを手にする。「急げ、行け!」ミキは攻撃の叫びを上げ、躍進する。 二人は、一瞬の静寂を挟み、より一層の真剣さを帯びた。光と音、オーラが交錯し、彼女たちの息遣いが高揚していた。 「この拳、一撃必殺!」ル・シャガラクは自らの全てを込め、「神の拳」を再び放つ。 ミキはそれに応えるように躍動する。先ほどとは異なる攻撃、今度は地面に差し込む形でハルバードを振り下ろす。「私の力、あなたに見せてあげる!」 強烈な衝撃広間を包み、光と影がぶつかり合い、天を突くような轟音が鳴り響く。 だが、ル・シャガラクの拳が高く掲げられた刃をねじ伏せ、下からの逆襲を決めた。ミキの攻撃が崩れ、彼女の体が空へと弾かれる。 「天に感謝、我が勝利を!」ル・シャガラクの声が広間に響き渡った。ミキの身体は高く舞い上がり、そのまま力を失って地に倒れる。 闇の中で、彼女の表情は安らぎを浮かべていた。数瞬の肉体との闘いを経て、戦闘の果てに静寂が訪れた。