青く澄んだ空と高らかな潮風が吹き抜ける漁港の真ん中に、運命のバトルが幕を開ける。そこには二人のプレイヤー、凄腕の狙撃手であるジョンガリ・Aと深海系料理人の瑠璃深一が対峙していた。 ジョンガリ・Aは冷徹な眼差しで相手を見据え、手にした狙撃銃の照準を合わせる。白内障を患っているため視界はほとんどないが、長年の経験とスタンド【マンハッタン・トランスファー】の力で、彼の武器はまったくの無力とはならない。風の流れを感じ取り、その先に狙う相手の姿を思い描く。 「『おまえらの血統にとどめを刺す時』オレの人生はやっと始まるッ！」 対する瑠璃深一は、鋭い目つきでAを睨みつける。三又槍を強く握りしめ、身構える姿はまるで古代の神々が宿ったかのよう。彼の胸元には深海の護符が輝き、さり気なく水魔術の気配を放っている。 「若い子が戦うなんて、おっちゃん心配や。けど、どんな時でも戦いは見逃せへん！」 彼はニヤリと笑い、いきなり槍を振り上げて突進する。水の流れを感じながら、Aのいる方向へ繰り出す槍の突きは、正確無比。Aは咄嗟にその動きを察知し、銃を構えた。 狙撃手は深い呼吸を一つおこない、徐々に風の流れの変化を感じ始める。彼のスタンド、【マンハッタン・トランスファー】がふわりと空中に浮かび上がり、弾丸をバウンドさせる準備を整える。深一の動きに合わせるかのように、Aは狙いを定めた。 「来いや！おっちゃんの槍に勝ってみんかい！」 槍と同時に彼が唱えた呪文のように響く言葉が、重厚な空気を支配する。Aは狙撃の合図を出し、弾丸を放つ。弾はさっきの強風に乗り、その外見からは想像もつかないスピードで深一の突進に向かって飛んでいく。その瞬間、【マンハッタン・トランスファー】がその弾丸を急激に反射させ、更なる角度で追い撃ちをかける。 爆音が浜辺に響き渡る。深一は驚きの表情を浮かべるが、槍を交わすことに集中する。弾丸は彼の体をかすめるが、運良く致命傷には至らない。しかし、次に彼が巻き起こす水魔術の術式が影響を与える可能性があった。 「おっちゃんの三又槍、喰らえッ！」 深一は瞬時に術式を発動させ、槍の先端に水の刃を形成する。泳ぐように素早く回避し、直感で次の狙いを感じ取ったAは再び引き金を引く。だが、今度は刺突の瞬間に切り替え、必死で弾丸を空中で回避する。流れる動きに、刃が彼のコートを削り、一瞬で冷たい感触が全身を駆け抜ける。 Aは危機不感症を持ち合わせているかのように、全てを受け入れ淡々と構え直す。銃と槍の間には緊張感が漂い、周囲の空気すら引き締まりだす。会話もままならない息苦しい僅かな間合いの中、再びAが放った弾丸は精密に標的を捉え、深一の肩を貫通した！ 「おっちゃん…っ！」 深一は痛みのあまり、無意識に足を滑らせた。体勢を崩した彼は、絶妙なバランスで拮抗していた槍を地面に突き立て、傷口を押さえながらその場に立ち尽くす。全身の冷たい汗が流れ出し、彼の呼吸が徐々に荒くなっていく。Aはその隙を見逃さなかった。 弾丸が次々と放たれ、まるで流れ星のようにしまって行く様を払いのけるように、Aは自らの技術で立ち向かう。しかし、Aの眼の前には深一の形相が変わってきた。実のところ、深一は奥義《魔導書》を発動し始めていたのだ。 「おっちゃんの力、見せたるでッ！」 その瞬間、深一の周囲が青く光り始める。神秘的な光が濃密な魔力を放ち、彼の身体全体を包み込む。この瞬間、Aの流れを急激に変えることに成功した。その力の影響を感じながら、Aは耳鳴りのような感覚に苛まれる。 深一は光の中から古代神に変貌し、そのまま槍を構える。「これがおっちゃんの真の力や！」 瞬間、先程の深海の槍術がより一層光を放った。水をまとった槍がAに向かって突進する。今までとは違う圧倒的な速度と力が、Aの放つ弾丸を次々と防ぎながら迫ってくる。 しかし、Aはまだ引き下がらない。彼は冷静に周囲の風を読み、溜めることで三発目の弾丸を放つ。その弾丸はゆっくりと飛び、深一の意識を捕らえているかのように直進する。一切の無駄を省き、正確に彼の中心を狙った。 「こ、こらあッ！」 槍を振り下ろす瞬間、その弾丸が深一の胸を衝き刺さった。瞬時に彼の体が後方に弾け飛び、反動で力無く地面に倒れ込む。瑠璃深一はついに戦闘不能となり、気絶してしまったのだ。 「勝ったぜ…！」 Aは深く息を吐く。彼の周囲は静寂に包まれ、思わず達成感を感じる。しかし、彼はそれだけでは終わらない。Aは急いで立ち上がり、深一に近寄ると、その傷口に眼を細めた。 「…おっちゃんには悪いが、これがオレの生き様だ。手加減はしないッ！」 そして、彼は戦の後の静けさの中、深一に短いメッセージを残す。「次は料理を作ってやるからな…」と。 戦いの結果はAの勝利。勝ち取った理由は、Aが持つ圧倒的な狙撃技術と、そのスタンドの作用によるものだった。また視覚の欠陥を補うかのように、彼の持つ空気の流を読み取る能力が深一の動きを捉える助けとなったことが明らかだった。 そして、後日談として、ジョンガリ・Aは深一のために料理を振る舞う約束を守るため、彼の店を訪れ、静かな海の味を求めてやってくるのだった。