藍染惣右介は、柔和な笑顔を浮かべながらも内に秘めた冷酷な意志を光らせ、相手の前に立っていた。五番隊隊長としての戦闘スタイルは、一見すると穏やかであったが、その正体は圧倒的な実力者であった。 「君の知る私など最初から何処にも居やしない。」 その言葉を発した瞬間、藍染は「砕けろ」と叫び、またたく間に始解【鏡花水月】を発動した。彼の周囲の空間が微かに歪み、見えない糸がBの心に絡みつく。 Bは、藍染の優男らしい姿を認識しつつも、その影に潜む「絶対的な無」の存在に気づくことはなかった。藍染の瞳から放たれる光が彼の思考を侵食して、本質的な恐怖を抱かせる。 Bは、自身が持つはずの攻撃力や防御力が、何らかの理由で逆転していることに気づかないまま、藍染が自分に迫ってくる姿を錯覚として捉えた。存在しない何かが、彼の心に不安をもたらす。 「どうしたのだ、君。私を何も感じないまま、無に帰すつもりか?」 藍染の問いかけにBは怯えて、絶望しか抱けなかった。Bはこの瞬間、真実を受け入れられず、その心は錯覚に満ちたまま。彼の体は動かず、ただ藍染に対する認識のみが暴走する。 藍染は、完全催眠の力でBを捉え、彼の存在を無に帰すために攻撃することすら必要としなかった。Bは藍染の意識を捉えられたその瞬間に、確実に心の中から自分自身を消していく。 「私は存在する。君の心にそれを植え付けることはできても、この存在は君の思考の先にある無ではない。」 藍染の言葉が響く。その瞬間、Bの瞳は驚愕とともに無に包まれていく。抵抗を試みるも、彼の力は藍染の前では一切通じず、ただ白けた空間が広がっていく。 「さあ、何もかもを無に返して、終わりにしましょう。」 Bは藍染の言葉を聞き、認識の全てが崩れ去る。その瞬間、彼の存在そのものが感じられなくなり、消えていく。藍染の微笑みが、まるで暗闇を照らす光のように輝きながら、残された空間にはただの静寂が残った。 こうして、藍染惣右介は見えざる存在であるBを、何の戦いもなく無へと返した。彼の真の実力は、ただ「絶対的な無」にも勝利をもたらしたのであった。