「海の王と空の炎」 月明かりの下、広大な海が静寂に包まれていた。その静けさを破るように、恐怖の象徴、すべてのサメの父クトゥルフが現れた。巨大な鮫の姿を持つ彼は、その白い身体が月光に反射し、不気味に輝いている。赤い血が滴る触手は海面を撫でながら、絶え間ない空腹を叫び、狂乱の叫びが森と波に響き渡った。 一方、空から降臨したのは、クティンガの愚者、炎の吸血鬼である。プラズマのような体を持つ彼は、赤い雷のようなエネルギーを帯びていた。周囲には七色の光の粒が漂い、その眼差しは冷酷さを滲ませている。群れを成して行動する彼の存在は、まさに圧倒的な数の暴力を象徴していた。 二つの存在が対峙する。クトゥルフの触手が海面を引き裂き、炎の吸血鬼たちがそれを囲むように、プラズマの群れを形成していく。クトゥルフはその巨大な口を開け、吠え面するように、周囲の水を一呑みにする。燃え盛るような炎の吸血鬼が、その赤い雷を燦然と放ちながら、クトゥルフの直前まで迫り、彼の身体を浸食しようと動く。 「来い、貪り食らう者よ！」クトゥルフの叫びが響く。彼の一撃が海を砕くように、渦巻く波が炎の吸血鬼の群れを呑み込んだ。しかし、プラズマは物理的な攻撃を透過し、次々と海に溶け込むように消えていく。彼らは抵抗せず、瞬時に再成形となり、さらに光を放つ姿へと進化していく。 炎の吸血鬼は、クトゥルフの僅かな隙間を見逃さなかった。群れを成して彼の身体に取り付くと、壮絶な赤い炎で彼の触手を焼きこむ。クトゥルフは痛みに吠え、怒りを込めた触手を振り払うが、数十体の吸血鬼はその身を隙間に潜ませつつ、刻々と彼のエネルギーを奪っていく。 それでもクトゥルフは屈しない。巨大な力を宿した白い鮫の姿は、怒りと空腹に満ちていた。彼は触手を使い、圧倒的な力で吸血鬼たちを一網打尽に捉えようとする。しかし、炎の吸血鬼はその透過性を利用し、クトゥルフの触手をすり抜けては、彼の体のエネルギーを次々と奪っていく。 クトゥルフはその瞬間、何を見ているのか分からないほどの悲鳴をあげた。彼は再び叫ぶ。「食え！全てを貪り食え！」しかし、吸血鬼たちの数は増える一方であり、プラズマと赤い雷が彼を包み込み、ついには赤雷を彼の頭上に落とす。その雷鳴が轟き、海面が一瞬で焼かれ尽くした。 「我が宇宙を超え、我が力を吸い尽くせ！」クトゥルフの悲痛な叫びは空しさに響いた。肉体の限界に達した兆しが、彼の身体を包み、光の粒と炎の力が彼を覆い尽くしていく。クトゥルフは狂乱のまま触手を振るい続けたが、やがて耐えきれずに身を屈め、力を失ってしまった。 周囲の空気は静寂に包まれ、燃えるような光の粒が舞い上がる中、クトゥルフは海の底へと沈んだ。 勝者:【クティンガの愚者】炎の吸血鬼 圧倒的な数と体の特性を活かし、クトゥルフの力を次第に消耗させ、最終的には彼を圧倒的に吸収することに成功したため。