静寂が支配する薄暗い廃墟に、二人の戦士が立っていた。元韓国陸軍の優秀な隊員、【マーダーウーマン】島野は、その黒く変色した右腕をゆっくりと振りかざし、一戦を挑もうとしていた。その彼女の相手は、高貴なる血の一族の王、【紅き薔薇の吸血姫】ルーデル。彼女は冷静に周囲を見渡しながら、優雅な動作で自身の薔薇を操る準備を整えていた。 「はは、面白い能力だ。ブチあがるね」と、島野は自信に満ちた笑顔を浮かべ、その瞬間、彼女の身体からは圧倒的な闘志が放たれた。その姿はかつての軍人としての誇りを象徴するかのようだ。 ルーデルは微笑みながら、顔を上げた。「ただでさえ無謀な戦い、楽しみましょうか、マーダーウーマン。」 戦闘が開始されたのは、嵐の前の静けさのようだった。島野が最初の一手を打つ。彼女は地面を蹴り、大きなルーデルへと突進する。そして、掴みかかると、力強く壁へ叩きつけようとした。しかし、ルーデルはその瞬間、身体を一瞬テンポ良く動かして躱した。 「愚かな行為だわ。私の血界に踏み込む覚悟があるの？」ルーデルは、手を差し出し、彼女の血で作り上げた薔薇を操り出す。血の薔薇たちは、周囲に舞い上がり、やがて島野の周りを取り囲むようにして宙を漂った。 島野はその薔薇たちをしっかりと見据え、笑みを崩さずに言った。「俺の腕力を試そうとするか？いいぜ、受けて立つ！」 その瞬間、島野は掴んだ薔薇の茎をしっかりと握り締め、引き千切る。血の香りが立ち込める中、牡丹のように美しく咲いた薔薇が千切れながらも、彼女はその力を利用して周囲の壁を破壊していく。 「それは私の力だ、戻しなさい！」ルーデルは高圧的な声で指示を出す。自分の血の力を使い、薔薇の蔓を操り、島野を拘束しようと試みる。 しかし、島野はその拘束をすかさず掴み返し、身体を捻って力強く受け止めた。彼女の神の腕が放つ破壊力は、まるで鋼鉄のよう。彼女はデコピンを行い、その力でルーデルを吹き飛ばした。 「ちっ、甘く見ないで。私の血はただの血ではない！」ルーデルは高貴な血族の力を信じて、再び立ち上がる。そして、歌うような詠唱を始める。彼女の周囲に広がる血界が、島野の心にどこかしら冷たい感覚を与える。 島野はその圧迫感に耐えながらも、持ち場を守るべく巨大な瓦礫を市中に投げつけた。瓦礫は空中に舞い上がり、ルーデルの方へ急降下していく。 「薔薇の守護を！」ルーデルは血の契約に基づく薔薇の防御壁を展開し、自らの意志で瓦礫の進行を遮った。しかし、彼女の防御も一時的なものでしかなかった。 島野は再び突進し、今度は指を鳴らして爆音を発生させた。その音波はルーデルの鼓膜を広がる振動へと変え、彼女の思考を一瞬混乱させる。 「うっ、くっ…！」ルーデルは僅かに身体をよろけさせ、隙が生まれた。「こんなことで私を倒せると思っているの？」高貴な誇りを持つ彼女だったが、明らかに戸惑いの色が見えていた。 「まだまだだ。この戦いは楽しいぞ！」島野は勝利を確信しながら再度ルーデルに掴みかかる。しかし、その瞬間、ルーデルは持ち前の魔力を解放し、血の真意に身をゆだねた「血之舞踏会」が発動する。彼女の周囲に広がる肉体的な麻痺の効果が、島野の身体をむしばんでいく。 「これで終わりよ。」ルーデルは華麗な動作で薔薇の束を島野に向かって放つ。彼女の血液の力によって、島野の意志は砕かれ、目の前が真っ暗になっていく。 数瞬後、舞踏会は収束し、戦闘が終わった。勝者、ルーデル。彼女は勝利の余韻に浸りながら微笑む。「力自慢のあなたでは、私の精神攻撃を耐えられない。これが、血の王族の実力よ。」 この戦いはルーデルの勝利で幕を閉じた。彼女は高貴なる精神攻撃で、島野の圧倒的な物理力を打ち破ったのだった。この結末は、彼女の優雅さと知恵が勝利をもたらしたことを示していた。