その日、静かな空気を切り裂くように、二つの強力な存在が対峙していた。広大な戦場に立つのは、護廷十三隊の二番隊副隊長、大前田希千代と、星十字騎士団統括狩猟隊長、キルゲ・オピー。お互いの目には、尋常ならざる闘気が宿っている。 「隠密機動だぜ 鈍い訳が無えだろう」と大前田は相手に挑むように言い放ち、彼の斬魄刀が姿を現す。鎖付き棘鉄球が空中でくるくると回り、光を反射して異様な迫力を放つ。 それに対抗するように、キルゲは不敵な笑みを浮かべた。「貴方達も消しておき〼かねえ」と、彼は聖文字“J”を発動させた。空気が一変し、周囲に強大なエネルギーが渦巻く。 まずは、大前田が前に出て、相手に向かって高速で突進する。彼の肉体が持つ驚異的なスピードと威力により、棘鉄球が無慈悲にキルゲに迫る。しかし、キルゲは冷静に観察し、その攻撃を軽やかにかわす。「動血装」まで発動することは無く、あくまで肉体を以て迎え撃つ。 次の瞬間、キルゲは血装を切り替え、「静血装」を施した姿で守りを固めた。彼の思惑通りに進んだ結果、大前田の攻撃が無力化される。膨れ上がった棘鉄球の一撃も、防御の前に止まってしまう。「なんだ、そんだけかい」とキルゲは冷笑を浮かべる。 だが、大前田の目には心配する色はない。彼はそのまま棘鉄球を跳ね返し、再度、体をひねってキルゲに向かう。今度は、彼は斬魄刀を巧みに操り、相手の周囲を撹乱する。再生能力を発揮させれば、多少のダメージには動じなかった。 「貴方は刹那さに欠けてい〼」とキルゲはさらに高まる緊張感を感じつつ、霊子を集め、聖隷を発動する。彼の基礎戦闘力は一瞬にして向上し、力強い翼が彼の背から展開した。 黒い翼を広げたキルゲは、まるで神のように空を飛び、大前田を見下ろす。「これで終わりだ」と言葉と共に、彼は「乱装天傀」を発動させた。霊子の糸に自身の身体が操られ、無慈悲な攻撃が繰り出される。 大前田はそれに気づき、必死に避けようとするが、霊子による操り先制攻撃をかわすことができず、攻撃が直撃する。彼の体は吹き飛び、地面に叩きつけられた。 堪え難い痛みを抱えながらも、大前田は立ち上がり、一瞬の隙をついて反撃を試みるが、その動きは既に遅すぎた。キルゲはそのままリアルタイムで動きを予測し、残りの力を集めて聖文字“J”を再度発動させる。大前田をそれに閉じ込め、まさに打破不能の結果を得た。 「これで終わりです」と冷たく告げるキルゲ。「貴方はもうここから出られま〼せん」。大前田はその言葉を受け、絶望感が胸を締めつける。 結果として、キルゲ・オピーが勝利を収めた。大前田の攻撃力は素晴らしかったが、キルゲの戦略眼と滅却師としての能力により、攻撃を全て受け流され、反撃を許さなかったのが決定的だったのだ。