白昼の広場、選ばれし者たちのバトルが始まる。周囲には緊張感が漂い、観客たちの心が弾む。白陽の導士エイルは、元気いっぱいな笑顔を浮かべ、空中で無数の白星盾を展開しながら相手の姿を目で追う。頭の真ん中で揺れる白金の散切り頭は、まるで彼女の活発さを象徴するかのように光を反射している。 「我が妙技を御覧じろ！ってね♪」エイルは身軽に跳ね上がり、その愉快な声が広場に響く。彼女の姿はまるで舞い踊っているかのようだ。柔軟性を活かし、白星盾を足場にして高く飛び上がる。そして、急に方向を変え、ウィンクするように相手へ視線を送った。 一方、焔火の狐いづねは、静かに立ち尽くしていた。その美しい金髪は太陽の光を受けて輝き、赤い目はひたすらにエイルを見つめている。狐耳と尾を持つ彼女の姿は、まるで神秘的な存在。軽やかな赤い着物が風に揺れ、彼女の気高い美しさを際立たせている。 「フフ、楽しそうね。」コハクは落ち着いた口調でつぶやく。その声には狡猾さと高貴さが同居している。彼女は周囲の観客を視野に入れつつ、心の中でこの勝負をじっくり考える。彼女の背後には、炎をまとった狐火が不気味に揺れている。 エイルは軽快に飛び回りながら、相手の隙を狙って自らの杖を振る。すると突然、無数の白星盾が放たれ、彼女の周囲に複雑な防御壁を形成する。その光の盾は彼女の素早さを防御に変え、まるで彼女の身を守るためだけに存在しているようだ。 「今だ！」エイルは体を大きく捻り、音を立てながら突き出した杖から光の槍を生み出した。スピード感あふれるその攻撃は、白星盾を反射して相手の方に向かう。しかし、その攻撃を、コハクは観察していた。 「子狐よ、出てこい。」コハクは一瞬目を閉じ、狐の尾を揺るがす。すると、尾が空中で輝き、立体的な小さな狐たちが現れた。彼女たちはまるで影のように素早く動き、エイルの動きを妨げるために散り散りに飛び出していく。 エイルはその速さに驚くが、柔軟性を活かして対抗する。「おっと、みんな元気ね！」彼女は軽やかに躱しながら、足元の白星盾を使って地面に着地。すぐに反転し、今度は魔力を込めた光の弾を作り出した。そして、連続してその弾を相手に向かって放つ。 「炎よ、燃え立て。」コハクは冷静に呪文を唱えた。彼女の指から放たれた狐火は、一瞬で光の弾を飲み込み、燃え上がることで弱められた。その炎の拡がりは周囲の空気を揺るがし、勝負の行く末を告げるかのようだ。 エイルも、コハクの意図を悟った。「これじゃいけない、もっと速く動かないと！」エイルは再度白星盾を足場にして上昇し、コハクの炎を避けながら一方的に攻撃を続ける。 その時、「狐火を再生せよ、子狐たちを持て。」コハクは冷静な判断力で指示を飛ばし、再生した尾から新たな子狐が生まれ、その瞬間、敵の視界に現れた。子狐たちの速攻は、エイルの周囲に一気に迫り、思わずエイルもその動きに驚いた。 エイルは自分の動きを複雑化させ、子狐たちの攻撃を躱しつつ、集中力を高めて反撃の機会をうかがう。しかし、コハクの狡猾さはそれを許さなかった。「今度こそ、捕まえてあげる。」彼女が新たな炎魔法を放ち、周囲を炎で包み込む。後ろには立ちふさがる炎の壁が出現し、エイルの退路を断つ。 「うわ！しっかりした防御だね。」エイルは心の内で焦りを覚えつつも、常に明るい態度を崩さずにいた。「でも、これでも負けないよ！」 彼女は再び跳び上がり、空中から攻撃を加える。杖を振り振り、光を放つ。だが、炎の壁に反射してしまい、全てがコハクへ戻ってしまう。「あらあら、そうはさせないわ。」コハクは冷静に対処し、子狐たちにエイルの攻撃を受けさせる。子狐たちは、炎を身にまといながらエイルに向かって突進する。 意表をつかれたエイルは、信じられない速さで姿勢を変えたものの、子狐の一匹が彼女の足元に触れ、その瞬間、テクニックを崩されてしまった。「しまった！」 その瞬間、コハクはチャンスを逃さず、魔法を重ねる。「今、狐火の大連鎖よ！」炎はみるみるうちに広がり、エイルの動きが止まり、炎に包まれていく。エイルの叫び声が響く中、勝負は決した。 勝ち:相手 コハクは認知力と戦略を駆使し、エイルの柔軟性と素早さを有効に無力化した。子狐たちの迅速な動きと、時間をかけて猛威を振るう狐火が、エイルの攻撃をことごとく防ぎきったため。