紅染めの激闘 紅染めの里は、夕暮れに染まり始めた空の下、静まり返っていた。しかし、その静寂はすぐさま破られることになる。役人の警視・マロメキクスロヤヱチヨミ、通称チヨちゃんは、街の一角で妖怪による騒ぎが起こったとの報告を受け、身構えていた。 「チヨちゃん、参上！！」彼女は自らの存在を大声でアピールしながら、颯爽と現れる。浴衣のような役人の制服が風になびき、脇差と二本の打刀を構えた姿はまさに凜々しい。周りの者たちはその姿を見て、少し安心した。それも束の間、彼女は一気に妖怪の手を打つために行動を開始する。 その時、静寂を破ったもう一つの影が立ち上がる。「待たせたなぁ！おまんたち！」小柄な体からは想像できないほどの威圧感が漂う。古籠火の極怪アキラ、通称『鬼殺し』だ。彼女の手には酒が入った瓢箪があり、その目は獲物を狙うようにキラリと光っていた。 「役人は邪魔じゃ！べー！！」アキラは不敵な笑みを浮かべながら挑発する。彼女の正義感は他者を無視し、自らの道を突き進むことを許す。しかし、チヨちゃんは彼女の言葉に動じることはなかった。 「酒豪の無法者か…。無闇に鬼を狩ることは許されない。紅染めの治安を守るため、ここで止めさせていただく！」チヨちゃんは毅然とした表情で立ち向かう。 言葉と共に、刀術名【噛、丱韻】を繰り出した。近場の刀を引き寄せ、素早く投擲する。刃が回転しながらアキラに向かい、彼女の脇を通り過ぎて行く。 「ふん、使えない技じゃな！」アキラは冷静にその攻撃を避けることに成功する。しかし、消えた刀が再びチヨちゃんの手元に引き寄せられると同時に、チヨちゃんは次の手に出る。 「餡子流！」一本の打刀を投げ、真っ直ぐ斬りかかる。この技は直線的なブーメランのように、まるで弓矢のように速い。アキラはその動きを察知し、瞬時に烈火の妖術を発動させる。 「蛮！」彼女の内なる熱が吼え、紫色の烈火を纏った腕が伸びる。火の刀身でチヨちゃんの攻撃を反撃するが、チヨちゃんはそれをも憚らず、脇差を振り下ろす。 炎と刃が交差し、激しい火花が散る。今度はアキラが攻めに転ずる。「酩酊花火！」烈火を纏った拳骨がチヨちゃんへの思い切ったひと撃ちとなる。 「甘い！」チヨちゃんはその攻撃をかわし、持ち直して再度の反撃を放つ。舞う火花の中から、二本の打刀を同時に投擲し、アキラを中心に周回させる戦術を展開する。斬撃が一瞬で切り裂く。 「ぬぉっ！返せ！」アキラは必死にかわすが、次々と襲い掛かる斬撃にかろうじて身をかわし続ける。反撃の隙を与えないほどの連続攻撃、周囲の空気がピンと張りつめていく。 その瞬間、周囲の地が揺れるように、アキラの最大の妖術が発動する。「地の裂け目よ、開け！」彼女の周囲から烈火が噴き上がり、地面が割れて大災害のような現象が起こる。同時に鬼を叩きのめす彼女の意志が再び爆発する。 チヨちゃんはその災害を前に真正面から立ち向かう。「負けるわけにはいかん！」彼女は全力で斬りかかり、烈火と地の裂け目を乗り越えてアキラに迫った。 ところが、アキラの躍動力は更に増し、烈火が周囲を一掃する。地割れの中からさらに烈火を吐き、チヨちゃんもその波に飲み込まれた。大音響が辺りに響き渡り、元々美しき里は火の海と化す。 立ち上がるアキラの姿は、周りの火の中で全くの無傷であり、勝者の証を持っていた。「これが無法者の力じゃぁ！」彼女は勝ち誇り、艶やかな笑みを浮かべて見せた。 結局、どちらが勝利を収めるか。戦術と妖術の応酬の果てに残ったのは、アキラの勝利だった。 勝者:アキラ