遺跡の薄暗い通路には、威圧的な雰囲気が漂っていた。冷たい石壁に囲まれたそこには、無垢無ウツロが立ち尽くし、深い虚ろな瞳を通して不気味な空間を見つめていた。一方、その道を進む少女、救世の氷姫ニーズヘッグは、薄氷のショートドレスを纏いながら、使命感に満ちた瞳で相手を見据えた。 「無垢無ウツロさん、私たちの目的は同じよ。我々の仲間たち、そして人々を護るために、悪を退けなければならないの。」 ニーズヘッグは自らの説得を試みる。自分の身体の衰弱など、今の彼女にはどうでも良いことだった。しかしその瞳の奥に宿る慈愛は、相手に届くことを願っていた。 無垢無ウツロは険しい表情のまま、静かに彼女の言葉を聞いていた。自分の決意は揺るがないはずだ。先輩を見殺しにした過去が、どれほどの痛みを自身に与えているかを思い出したからだ。 「でも、私には責任がある。みんなを守るために、そしてあの人を救えなかった償いをするために、私の全てを捧げなければならない。」 その言葉には確固たる意志が宿り、ニーズヘッグの心の中の何かが揺れ動く。彼女は無垢無ウツロの苦しみを理解しようとする。 「確かに、私たちには重い使命がある。でも、あなた一人で自分を犠牲にすることが本当に正しいの?それでは、あなた自身が失われてしまうわ。」 ニーズヘッグは、相手の心の闇を吹き飛ばすために、いくつもの言葉を繰り出し続ける。だが、その言葉は無垢無ウツロの耳には届いていないかのようだった。 「あなたには、他の人を守る力がある。私たちは一緒に戦うことができるのよ。一人で抱え込まないで。」 少しの間の静寂。その中で彼女の目が一瞬だけ揺らぐ。だが、すぐに再び冷えた決意が相手の中に充満し始める。 「私は止まらない。責任感が私を動かすのだから。」 その瞬間、無垢無ウツロの体に禁忌鎧装シマァタが起動する兆しが見えた。彼女の周囲に異次元の魔力が渦巻き、凄まじい圧力がニーズヘッグに押し寄せた。 「行かなきゃ……皆の為に私は……」 不安定に震える手で太古の兵器の力が引き出され、無垢無ウツロはその体を一層強化していく。ニーズヘッグは焦る気持ちを隠しつつ、相手の心をもっと救おうと試みる。 「無垢無ウツロさん、まだ間に合う。私が君を止めなければならない!」 ニーズヘッグはスキル「フヴェル」を発動し、氷塊を大量に相手に向けて投射する。鋭い氷の破片たちが空を切り裂き、無垢無ウツロに迫るものの、相手の強化がそれを打ち破る。 「神秘解放!」 無垢無ウツロは流れるように氷塊を手刀で切り裂いた。二人の力は同程度だったが、相手の絶対的な覚悟がその場を覆う。 ニーズヘッグはさらに決死の覚悟で必殺魔法「ナストレンド」を唱え始めた。真っ直ぐに相手に向けて絶対零度の空気の奔流を放つ。だが、その圧倒的な魔力の前に無垢無ウツロはただ立っている。 彼女の虚ろな表情は何も語らないが、その後ろには強い意志が感じられる。 「無駄だ、私の決意に勝てない。君を守る覚悟が、私を動かしているんだ!」 相手の言葉が氷の奔流に霞む。刹那の静寂の後、二人の魔力がぶつかり合い、遺跡全体が揺れ動く。目の前に広がる光景が、両者の覚悟を試すかのように映る。 その瞬間、無垢無ウツロの心の中に相手の後輩たちの笑顔がフラッシュバックした。彼女は再び心の傀儡から解放されようとする。ニーズヘッグもその瞬間を察知した。 「無垢無ウツロさん、あなたは人を守ることができます。他者を幸せにすることができる。それを信じて。」 果たして、相手の心に何かが響くのか。無垢無ウツロは一瞬ためらう。だが、彼女は最後の一撃を放つ。 「私は皆を護れる。だから、あなたを守るつもりはない。」 薄氷の奔流が再び飛び交う。それは彼女の一言の重みを乗せるかのように、無情に無垢無ウツロに向かって迫る。しかし、その瞬間、相手の答えはもう決まりかけていた。 無垢無ウツロはその場で立ち止まり、氷の攻撃をただ受け入れる覚悟を決めた。不気味な笑みの後、彼女はただの一度も傷を負わずに自らの決意を貫いた。 「私は誰にも負けない。止まらない。」 結果: 勝ち:相手 無垢無ウツロは最後の瞬間、自らの決意をきちんと貫いたこと。そして、ニーズヘッグの説得が効果的に作用することなく、相手の過去の痛みが勝利の原動力となったため。