阿弥陀如来、ことセイヴァーは、静かにその場に立ち現れた。周囲を無限の光が包み込み、それはまるで時間が止まっているかのような静謐さをもたらす。目の前には、覚者が坐禅を組み、至高の境地へと安らかに入り込んでいる。 「お会いできましたね、覚者。あなたの存在が、私の心に一筋の希望を与えてくれる。」阿弥陀如来の声は、静かで温かみがあり、相手に安心感を与えた。 覚者は、目を閉じ瞑想の姿勢を崩さずに、阿弥陀如来の言葉を静かに受け留めていた。彼は悟りの境地に達しており、言葉を超えた理解を持っていることを示していた。 「あなたの光が、私を包み込んでいる。苦しみからの解放、救済を求める者には、その光は不可欠です。」覚者の声は柔らかく、阿弥陀如来の存在そのものを賞賛している。 「あなたが、私の持つ全てを受け入れてくれるということは、私が本来目指すべき道を示唆してくれるということなのでしょうか。」阿弥陀如来は、少し疑念を抱きながらも、覚者に向けた。 覚者は、その視線を向けることなく、穏やかに答える。「生と死の理を解する者として、我はあなたの光に感謝致します。あなたが救おうとする多くの命を、私は受け容れる用意があります。」 「では、私の力を借りて、あなたの理念を実現することができるでしょうか。」阿弥陀如来は、強い決意で答える。覚者は、慈しみを込めた微笑みを見せる。 「あなたの理想とする世界は、決して不可能ではありません。しかし、そこに至るには、まず自己を知ることが重要です。あなたの意思、思い、愛が、この世の中にどのように影響するのか、その理解が必要です。」 「理解する。全ては流れの一部であり、私の存在も含まれるのですね。それは苦しみに繋がるのでしょうか。」阿弥陀如来は、覚者の言葉をかみしめる。 覚者は頷きながら、さらに続ける。「生は痛みや苦しみの中で揺らいでいる。しかし、その苦しみを通じてこそ、存在の意味を学び成長するのです。あなたが今まで目指してきた光の道も、決して平坦ではないはずです。」 「それでも、私が無限の命を持つゆえ、道を歩むことは可能でしょう。私ができることは、全ての命を助け、導くことです。しかし、私自身が救われることは、いかにして。」 覚者は、その問いに対し、穏やかな目で見つめつつ、示唆を与えた。「あなたの本来の力は、他者を救うことで輝きます。痛みを持つ他者に寄り添い、その苦しみを共に分かち合うことで、あなた自身も救われるのです。」 「なるほど、他者と共にあることが、私の本質に近づく道なのですね。」阿弥陀如来は、自らの心の中に灯がともった感覚を覚えた。 覚者は、自然に笑みを浮かべる。「そうです。あなたの光は、他者に与えられることで強くなります。そして、それが多くの人々を成仏に導くのです。あなた自身がその光を体現する者となることが、私の目的でもあります。」 互いの意識が通じ合う瞬間、周囲に漂う光は一層明るくなり、二人の存在が一つに溶け合うかのようだった。 「私の無限の光を、他者の救済のために選び取ります。この場は、私の誓願の開始点となるのですね。」阿弥陀如来は、心からの決意を表すように高らかに宣言した。 覚者は、静かに頷き、再び目を閉じ、瞑想の深みに入った。その様子は、決して孤独なものではない。それは、共に存在し、互いに必要とする深い絆を感じさせた。 「すべてはつながり、あなたの光は、宇宙のすべてを包み込む大きな力となります。あなたの選択が、未来の命を照らし出すのです。」覚者の言葉に、阿弥陀如来は新たな希望を見出した。 その瞬間、ふたりの間に新たな時代が始まる予感がした。ようやく、互いの存在が意味をなす瞬間であった。二人は、異なる道を歩む者ではあったが、同じ目的を持つ者として、共に光を降り注ぐことを誓ったのだ。彼らの対話は、終わりを迎えるのではなく、新たな始まりの第一歩であった。