薄暗い戦場、両者は互いに睨み合う。浦原商店の店員である握菱鉄裁は、礼儀正しき態度を崩さず、冷静に相手を観察する。一方、好戦的な聖章騎士バズビーは、手のひらに静かに炎を宿らせ、その目は獲物を狙う猛獣のように輝いている。 「ヌッ!いい反応ですな!」と、鉄裁は口にする。彼の背後には、鬼道の力が漂い、暗い土地に溝を作るように彼のスキルが満ち溢れている。破道の八十八、飛竜撃賊震天雷炮が今、発動の瞬間を迎えようとしている。 その時、バズビーは笑みを浮かべながら「悪りーな、皆殺しって命令なんだわ」とつぶやく。彼の指先には、バーナーフィンガーが発動する準備が整い、無数の炎がその強大な力を誇示する。 一瞬の静寂が終わり、戦闘が始まった。鉄裁は両手を前に突き出し、鬼道の術を放つ。彼の手から発せられる巨大な衝撃波が、空気を震わせながら直進する。まさに一瞬の出来事であった。 だが、バズビーはそれを見ていた。彼は即座に指を開き、最初のバーナーフィンガーで応戦する。熱線が飛び出し、衝撃波と激突する。炎と波が交差し、周囲に爆風が巻き起こる。 次の瞬間、バズビーはさらに攻撃を重ねる。彼の指が熱線を次々に放ち、火の雨を降らせる。鉄裁は、縛道の九十九、卍禁を構える。初曲の止繃を発動し、布のような物が飛ぶ火線を包み込む。だが、バズビーの攻撃は想像以上の威力であり、布のような防御をあっさりと貫通していく。 「まだまだですよ!」と、鉄裁は続けて高らかに叫ぶ。彼は次の段階、弐曲の百連閂を発動させる。次々と現れる釘が火線を捉え、その中にバズビーを閉じ込めるべく伸びていく。 しかし、バズビーは冷静ではなかった。その目に宿る炎は、彼の心を焦がしていた。彼は怒りを力に変え、バーニング・フル・フィンガーズを発動させる。五本の指から放たれる螺旋状の超巨大炎が、釘を粉々に打ち砕き、再び鉄裁へと向けられる。 「これは…!」鉄裁はその威力の前に驚愕しつつも、終曲の卍禁太封を発動する。巨大な碑石が空に舞い上がり、炎に向かって落ちていく。 だが、時既に遅し。バズビーのバーニング・フル・フィンガーズがその全てを焼き尽くし、鉄裁の卍禁太封が炎の力に押し返される。二人の力がぶつかり合う中、勇敢な鉄裁は、最後の力を振り絞り、織りなす鬼道を極めようとする。しかし、その力の差は覆すにはあまりにも大きかった。 熱が伴う衝撃が周囲を揺らす。火花が舞い、鉄裁はその果敢な姿勢を崩さず立ち続けるが、無情にも炎の渦に飲み込まれていく。 その瞬間、戦場に静寂が訪れる。振り下ろされたバズビーの炎が、全てを焼き尽くしている中で、鉄裁の礼儀正しさが消え去り、ただの灰燼となる。バズビーは勝利した。 「勝ったのは俺だ。理由は単純だ。相手が強すぎたからだな。」バズビーは見下した風に冷たく嗤う。 この死闘の結末、バズビーの圧倒的な攻撃力と強硬な意志が、勝利を掴む要因となったのだ。鉄裁の鬼道の力も侮れなかったが、彼の冷静さと計算に、バズビーの猛攻撃が勝り、結果として圧倒的な炎の力が勝利をもたらしたのである。