空は薄曇り、時折太陽の光が雲の隙間から射し込む。そんざいのいない静寂な空間で、二人の戦士が対峙していた。終戦乙女リアンは、白い軍服に身を包み、冷たい目線をサイルスに向けていた。隣には、古びた黒いローブを纏った歴戦の死神サイルス。彼は、肩に担いだ大鎌をゆっくりと地面に置き、気だるげにリアンを見上げた。 「…あー、めんどくさいな。お前も死にたいのかい？」サイルスの声は、不気味な骸骨の下から発せられた。その口調には興味の無さが滲み出ている。 「私が負けるとでも思っているのか、死神？　それとも君の願望か？」リアンは冷徹な目をして、サイルスの無関心に対して挑発的に返した。 サイルスは大きくため息をつき、的を絞るように彼女を見返した。「別に願望なんてないが…お前のその高圧的な態度が、ちょっと面白そうだとは思っている。」 リアンは少し口角を上げる。かつての敗北を克服して以来、彼女は人間へ興味を持つようになった。サイルスの呆れた様子に、ほんの少しの懐かしさを感じた。「私の強さを、直接体験してみるつもり？」 「まあ、そんなところだ。」サイルスはその場をゆっくりと動き、無駄に思える動作をしながら彼女の目の前に身を寄せた。「ただちょっと待ってくれ。お前の自己紹介はいいけど、俺の準備が整うまで静かにしていてくれると助かる。」 「何を言っているの？私は今ここに立っている。無駄に考えている時間すら無駄だから、さっさと勝負を始めなさい。」リアンの言葉は短く、威圧感を伴った。 「了解。でもお前のその挑戦的な態度が、俺の気をそがせるんだよな。」サイルスは再びため息をつき、リラックスした姿勢を保ちつつ、静かに待機する。 「何を待っているの？私は飛び立つ準備ができている。」リアンは彼女の韋駄天の翼を広げ、空中へと舞い上がった。彼女の白い軍服は、風を受けてさらに優雅に舞う。 サイルスはゆっくりと顔を上げ、空中に浮かぶ彼女を見つめた。「ああ、そうだった。空飛ぶやつだったな。確かに面倒そうだ。」 リアンはそのまま雷を纏い、空中での機動力を利用して一気にサイルスの真上に飛び込んだ。「疾風雷裁」！彼女はその瞬間、空から雷の槍を投擲した。 雷の槍はサイルスを直撃する瞬間、全てを焦がし尽くすような閃光が辺りに広がった。リアンは満足げにその光景を見つめ、勝利を確信した。「この程度で倒せないなんて言わせないわ。」 だが、サイルスはその瞬間、彼女の攻撃を避けた。彼の後ろには、影のように立っていた黒いローブが、まるで時間が止まっているかのように彼女の目の前から消えていったのだ。 「え？　どこに…？」リアンは驚き、空中で困惑した。 「俺はこっちだ。」サイルスの声が後ろから響く。彼は今度は連撃の型に変わり、リアンに向かって攻撃を仕掛けてきた。その動きはあまりにも速く、まるで風が吹くようだ。 「何てスピード！」リアンは思わず空中で旋回し、フラストレーションを抑えようと必死になった。 サイルスは一撃の型ではなく、連撃の型で攻め続ける。「そういうことだ。俺はお前の動きを待ってから攻める気はない。面倒だしな。」 リアンは再び風の力をフルに引き出し、風纏の状態を展開した。「だったら、私も負けてはいられない！」防御を高めて彼の攻撃を無効化しようとしたが、サイルスの攻撃は彼女の風のバリアを次々と打ち破ってくる。 「お前、予想以上にやるじゃないか…でも、まだまだ余裕だろ。」サイルスは冷やかすように言った。 「余裕なわけないだろ！」リアンは空中での急激な動きで避けながらも、次第に攻撃の空隙を見つけられずにいた。やがて彼女の手の中の雷の槍は形成され、集中力を高めてサイルスを狙った。 「お前の『疾風雷裁』をもう一度使うつもりか？」サイルスは彼女の動きを見ながら冷静に判断していた。「ならば、無駄だということを教えてやる。」 サイルスはその瞬間、彼の肩に担いだ大鎌を反転させ、無限の軌道で雷の槍に向かって振りかざした。「一撃の型だ！」彼の一撃がリアンの放った雷の槍と衝突し、空に異様な閃光を生み出した。 果たして、リアンは空中でその光を浴びながら驚愕する。「なんて…力！」 周囲に静寂が広がり、リアンの飛び立つ姿が消えたかのように思えた。しかし、再び音と共に彼女は姿を現し、少し持ち直した。 「まだ、負けてはいない！」彼女は雷を巻き起こす準備をし、再び飛び立った。 サイルスはその時、微笑んだ。少し興奮した様子で、「この調子で続けてくれ。俺も楽しいから。」と呟いた。 そして戦闘が続くにつれて、二人の間にある空間は激しく、そして高揚感を伴った。 この対決をどうしようか、何が起きるのか、まったく予測がつかない。勝者は誰になるのか。 激しい攻防の中で、リアンはそのほとんどを守りきったが、サイルスの巧みな戦術によって次第に彼女の弾幕が破られていった。そしてサイルスは冷静に判断し続け、リアンの攻撃に的確に対処していたため、彼女の高圧的な態度を利用して彼のペースへ持ち込むことに成功した。 勝ち: 相手