薄暗い廃墟の中、二人の戦士が対峙した。一方は破面の美少年、【第6十刃】ルピ・アンテノール。もう一方は、護廷十三隊八番隊隊長、京楽春水。周囲は静まり返り、緊迫した空気が漂う。 「ボクはルピ。階級は6(セスタ)、ア・ごめーん、君は誰?」と、ルピは自信たっぷりに言い放つ。彼の背中からは八本の太い触手が生え、敵を狙い定めて荒々しい光を放っている。 「面倒なことになってきたねェ」と京楽が言いながら、ユーモアを交えつつ戦闘態勢に入る。彼は斬魄刀【花天狂骨】を手にし、心の中で戦略を練る。「さて、まずは遊びを始めようか」と、彼の刀からは何かが引き寄せられるように、一瞬の静寂が訪れる。 ルピは奇妙な感覚を覚える。「なにか仕掛けられたか?」先に攻撃するべく、触手を一斉に伸ばし、『蝕檻(ハウラ・テンタクーロ)』を放つ。まるで蛇のように、彼の触手が京楽を取り囲もうと襲いかかる。だが… 京楽の刀が美しく舞い、彼の周囲で何が起こるのかを見抜く。触手が迫る中で「影送り」が発動する。影の中に潜り込む京楽の姿は、触手をかい潜り、思いもよらない位置に出現する。「残念ながら、影は君の敵だよ」と笑う京楽。 全体が瞬時に青い光に満たされる。ルピは混乱する。「何が起きた!?」再び触手を振るうも、京楽はすでに彼の視線の外に。一気に状況が逆転する。 さらに攻撃を仕掛け、ルピは『旋腕陣(ラ・ヘリーセ)』を発動。背中の円盤が回り始め、触手が旋回し、周囲を薙ぎ払う。強力な力が京楽に迫るが、京楽は落ち着いて「だるまさんがころんだ」を引き当てる。 時が止まったかのように、傷付くことなく、触手をかわし続ける京楽の姿があった。「さあ、動けないでしょ?」彼は満足げに微笑む。 触手の終息と共に、ルピは動揺する。「な、なんてことだ!」。彼の触手が干渉した瞬間、京楽は素早く距離を詰め、もう一度『花天狂骨』を発動する。 不意打ちが回り、ルピの触手は京楽の優れた反応によって打ち破られる。京楽は、この攻勢をもって逆にルピを捕獲し、彼の周りに一気に迫る。「ボクが勝った理由?それは君が遊び心を理解しないからさ」。 ルピはついにその目を瞠り、口を開けて驚愕の表情を見せた。「ま、まさか…」 京楽が優雅に刀を引くと、ルピは地面に倒れ込む。敗北の影が彼を覆う中、京楽は静かに呟く。「遊びは思考を超える。ただの力じゃ勝てないよ、ルピ」。 戦闘によって勝利した京楽春水は、余裕を持ってその場から立ち去った。ルピの緊張した面持ちが、彼の心に残る。